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1時間半ほどであっさりと打ち合わせは終了したが、みんなだらだらと関係のないことや他の仕事の件なんかを話し合っていて、なかなか帰る気配がない。父も、甘いマスクを貼りつけて、今度縛る予定の新米の女の子をたぶらかしている。
そのままお持ち帰りして家に帰らなきゃいいのにと思いつつも、不意に向けられた視線が勝手に帰るなよと言っている。俺は仕方なく、ひとつため息をつくとトイレに行った。
「あっ、雅ちゃん発見。もう帰ったのかと思ったー」
用を足して手を洗っているところで、彰吾と出くわした。馴れ馴れしい感じのこのタイプは、あまり得意ではない。彰吾に構っているよりそろそろ夕飯のメニューを考えなくてはと、無視してトイレを出ようとしたとき、後ろから強い力で腕を引かれた。不意のことでよろめき、気がつけば彰吾に抱きしめられる形になっていて睨み付けた。憎らしいほど背が高い。
「離してください」
「つれないねぇ」
「何か用でも?」
「うん、ちょっといろいろお話ししたいなー、とか」
「だったら向こう戻りましょうよ」
「二人っきりがいいんだけど」
大きな手が顎に触れ、親指が唇に触れた。
「残念ですが、予定があるので帰ります」
「じゃあ、少しだけ」
あ、という間もなく軽々抱き上げられて、トイレの個室に連れ込まれた。
「何がしたいんです」
「とりあえず、味見?」
めんどくさい。だいたいいつも父と同年代の人とばかり接しているが、時々若い男と会うとすぐこうなる。
俺は、背の高い彰吾の首を引き寄せてキスをした。舌を滑り込ませて、絡まってきた彰吾の舌を噛む。
「っ......」
「これで満足?」
彰吾はびっくりした様子で目をしばたいていた。
緊縛だとか道具責めとかフェティッシュなセックスばかりしているから、よくM属性だと勘違いされるが、別にそういうわけではない。だから、よく初対面でこうしてからかわれて俺が冷静に受けてたつと、相手は戸惑う。
「やっぱり、あんた最高......」
彰吾も例に漏れず俺の態度に戸惑ってるのかと思えば、嬉しそうに笑われて、こっちが戸惑ってしまった。
「俺、東雲さんの個展であんたのこと見てから、すげー気になってて、この世界飛び込んだんだよね」
「......」
「縛られてるのに、Mっぽさがなくて、むしろ綺麗で気高くて、なのにどこか儚くて......それに、アートっていうよりただただエロくて、もう俺、何回抜いたかわかんないもん」
「......」
「あれ、なんで無表情?褒めたのに」
「他人の感想なんて興味がない。良く言われようが、悪く言われようがどうだっていい」
「ほんとクールだなー。ますます興味湧いた」
にこりと笑って誤魔化すか、そこらのM男っぽく振る舞ってた方が楽だっただろうか。変なのに気に入られた。早く晩ごはん考えたいのに。
「自分の感想言いたかっただけなら、そろそろ帰らしてくれる?」
「待って待って、味見させてよ」
ドアの前に立ち塞がるこいつをどうにかして脱出しようなんて考えるほどバカではない。
もう一度キスをして、ズボン越しに股間を触る。
「さっさとイってくれる?」
「はは......ほんと、あんた最高。じゃあ、舐めて」
めんどくさいから、冷しゃぶでもするか。
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