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「あー......龍弥は最近、どうだ?大学とかバイトとか」
そういえば父さんとも最近ろくに会話していなかった。昔は休日にはキャッチボールとかサッカーとかしていたのに。
「うん、まあ、ぼちぼちやってるよ」
「彼女とかできたか?」
「あー、いや、こないだ別れた」
「なんだ、でも彼女いたのか。おまえも成長したんだなあ」
女の子とは、今までに3回付き合ったことがある。高校の時に二人と、この間まで付き合ってた一人。どれも長続きしなくて、今回は3ヶ月で別れたけど。
「フラれた?」
「......」
「フラれたのか」
まあ何事も経験だと、父さんは笑った。
「思ってた感じと違う、とか言われて」
初めの一人は、他に好きな人ができたと。そして二人目と三人目は、思ってた感じと違うと。そんなこと知るかよって思う。
「セックスの相性が悪かったんだろ」
「え?」
「それか、おまえのセックスが下手だったか」
「......」
父さんの仕事は知っている。子供の頃は写真家だと聞かされてきたが(間違ってはいないけど)、女を紐で縛ったり、エロに特化した写真を撮る仕事だと、何かの雑誌のインタビュー記事で読んだ。いわゆるAVとかとも違うみたいだが、その記事の中には、何百人を抱いてきたとかいう話もあって、自分の父親の性的な部分を垣間見てから、なんとなく話しかけづらくなっていたのだった。
「雅に手解きしてもらってみろよ。そこらの女よりはるかに美人だし、凄いぞ」
......兄さんの仕事も、今ではなんとなく理解している。ただのモデルかと思っていたが、一般的なメディアで見かけることはなく、父のようなカメラマンに撮られる仕事だった。いつだったか、父の書斎から何かの本を借りようとした時、本の間から兄さんの写真が出てきた。写真の中の兄さんは裸に薄い布を纏わせ、赤い紐で縛り吊るされていた。それは見たことないくらい妖艶な姿で、思わず兄の姿で抜いてしまった。そう、それから、兄さんにも近づきがたくなったのだった。
「さてと、ごちそうさん。ちょっと雅の様子見てくるよ。おまえもついてくる?」
にやりと笑った父さんの顔から目を逸らし、俺は首を横に振った。
父と兄の関係も、知っている。
それはカメラマンとモデルというだけでなく......
肉体関係がある、ということ。
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