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「やべー、ミヤビ、ほんとマジで美人!」
ステージ側から興奮した様子の先輩が戻ってきて、鼻息荒くそう言うと、ビールを一気に飲み干した。
「同じ男とは思えねぇな......ミヤビなら、おっぱいなくても抱けるわ、まじで」
あれが実の兄です、なんてとても言えずに、俺はただただ苦笑いするしかできなかった。
正直、もう帰りたかった。先輩はすっかり馴染んでしまったようで、いきなりTシャツとジーパンを脱ぎ捨てて女の子たちに乳首弄られて悦んでいるが、俺にはとても馴染める気がしなかった。
旨くもない酒を飲みながら今なら終電間に合うかなと時間を確認したとき、再び音楽が変わった。
今度は静かな和風の音楽が流れ、ステージには薄い着物を纏った女性が一人現れた。その後ろから現れた人物に、ここにいることはわかってはいたが、再び目眩がするのを止められなかった。
赤い麻縄を手にした父が、女性を縛り上げていく。女性の口からは痛みとも愉悦とも取れる声が時々漏れた。
徐々に自由が奪われる女性の身体に指を這わせながら、一片の迷いもなく縄を巻き付けていく様は、けしてただのSM行為には見えなかった。
一つのアートと言われても納得してしまうものだった。途中から現れたもう一人の女性にも縄を巻き付け、最初の一人と結びつけていく。女性の恍惚とした表情に男たちは見入り、女たちは自分が縛られている感覚になるのかため息をもらした。
「すっげーよな、なんか、ただのエロとは違うよなー......」
先輩がぽつりと呟いたが、当然俺は、あれは実の父ですなんて言えないわけで、ただ固唾を飲んで見た。
「しっかし、今日はミヤビとの絡みじゃなかったんだなー。あ、ミヤビとあのオおっさんって、ガチの親子らしいんだけどさ、二人の絡み写真で見たことあるけど、なんかすっげーの。背徳的、っつうかさー」
知ってる。実の弟がここにいるわけだから。どちらかと言えば父親似だが、他人から見て気づかれるほどそっくりではなくて良かった。
父の緊縛が終了すると、再び爆音のクラブミュージックがかかるのかと思いきや、よりいっそうボリュームが絞られて、照明もどんどん暗くなっていった。
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