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俺の視線に真っ先に気づいたのは父だった。さすがの父もいくらか驚いたようで、一瞬目を見張っていた。
龍弥は俺から視線を逸らさない。俺も、応戦するように見つめ返す。やがて蓬莱さんと彰吾も俺の視線の先にいる人物に気づいた。
「雅君、知り合い?」
俺は深く息を吸い込むと、彰吾達の手を振り払ってまっすぐ向かっていった。
「やべぇ、ミヤビがこっちにくる!!」
龍弥の隣にいたパンツ一丁の男は知り合いなのだろうか、龍弥の肩に腕をのせて興奮ぎみにこちらを見ている。俺は仕事用の笑みを顔に張り付け、その男の前に立った。
「ずぅっと見られてるような気がして、気になって来ちゃった」
「やべー!ホンモノだ!やべー!」
「やだな、そんな大層なもんじゃないよ?」
「あ、握手してくださいッ」
初な感じが可愛い。横に龍弥さえいなければ、心置きなく苛めて嬲って楽しめそうなのに。眉間にシワを寄せ、見たこともないくらい厳しい顔をした弟には目もくれず、目の前の男の胸に手を添える。
「握手だけでいいの?」
「えっ......」
「いいよ、キミ、けっこうタイプだし......」
胸板から腹筋にかけて指を這わせ、そのまま下着越しに男の中心に触れた。完全にテントを張っちゃってて、ますます可愛い。
「ね、握手の代わり」
「あっ、う......ッ」
短いけどなかなか太さのあるソレをぎゅっと握ってやる。すると一瞬、ビクンと跳ねたかと思うと下着が濡れ、生暖かい感触が手に広がった。
「ウソ」
「わ、わああああああ!ちがっ、あのっ、これはっ!」
「握っただけでイっちゃった?」
下着の中に手を入れて見れば、ドロドロの青臭いモノが指にまとわりたいた。
「ひっ、あ」
「かーわいい」
男の精液をわざとらしく舌で舐めとり、そのままキスをした。
「んんーっ」
「アハ、美味しいね?」
「ミヤビさんッ!抱かせてください!」
「その早漏が治ったら、ね」
「はいぃぃッ」
チラ、と龍弥を見た。
ああ、これでお仕舞いだ。もう、優しいお兄ちゃんのフリもしなくて済む。
「そっちのキミには、刺激が強すぎちゃった?」
ごめんね、龍弥。
「ね、握手、する?」
こんなお兄ちゃんで、ごめん。
「いいよ、キミなら何でもしたげる」
龍弥のためなら、なんだってしてあげる。
「好きだよ」
大好き......
「キスしていい?」
何も答えない龍弥に、最初で最後のキスをした。
「最低......」
酷く蔑んだ目が、俺を見下ろしていた。
そしてようやく紡がれた一言に、心臓が抉られる気がした。ああ、もう、このまま心臓が止まってしまえばいいのに。
「......ごめんね」
龍弥は、俺を押し退けて会場を飛び出していってしまった。
「スンマセン、あいつこういうの初めてで、だから......」
龍弥の連れの男が何かを言っているのをどこか遠くで聞きながら、俺はただ立ち尽くし、龍弥の去っていった後だけを見つめ続けた。
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