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蓬莱さんとは昼過ぎに会うらしく、簡単な朝食をとった後、雅は持参したパソコンを開いて今後の仕事のチェックをしていた。
「なんか、ここぞとばかりに仕事入れられてる気がする......」
どうやら、今まで仕事をセーブしてくれていた分、東雲氏が大量の仕事を受け入れてきたようだった。
「しかも地方が多い。そのほとんどが父さんとって、絶対俺と彰吾を引き離しにきてる」
「まさか」
「オヤジの嫉妬とか気持ち悪さしかないよね」
開かれているスケジューラーを見れば、週末毎に色々なイベントの名前が書き込まれていて、いずれも俺の入ってる予定とは違った。
「東雲さんって、ガチで雅のこと好きなんじゃないの?」
「俺の中に母さんの面影を見てるだけだよ」
「奥さんの......」
「俺、顔だけは母さんによく似てるみたいだから」
俺はそれだけじゃないと思うけど、それ以上は何も言わずにおいた。
「そういや、なんか化粧品メーカーからモデル依頼がどうこう言ってなかった?」
「ああ、それね」
大量のメールの中から、一件開く。
「アイリス......?アイリスって、えっ、うそ、あのアイリス!?」
「そうなんだよねぇ......」
アイリス化粧品というのは、国内でもトップの化粧品メーカーだった。コマーシャルではいつも有名どころの女優を起用しているはずだが......
「なんか、CM企画の人がフェティッシュ好きでイベントにもちょいちょい来てたみたいで、俺のことを上にプッシュしたら通ったから、とりあえず会えないか、って。メーカーのイメージからして、断るべきだと思うんだけど......」
「新商品となる魅惑のフレグランスのイメージモデルとして、モデルのReiと是非共演して頂きたく......って、ReiってあのRei!?」
Reiというのは、ものすごく可愛くてどうみても女の子にしか見えないけど男、という最近話題のモデルだ。
「いやいやいや、これは受けるべきっしょ。めちゃくちゃでかい案件じゃん!」
「それはそうだけど、こんなのが世間のお茶の間に流れたらまずいでしょ......」
「いや、絶対やるべきだって!そっから、もし普通のモデル業とか普通の仕事がくるかもじゃん?」
「まぁ......とりあえず、会うだけ会うって返事はしたけど」
「じゃあ、Reiちゃんのサインもらってきてよ!」
と言ったら、思いっきり白い目で見られた。 あぁ、うん、やっぱり冷ややかな目をした雅はそれはそれで悪くない、っていうかイイ。
「あっ、そうだ、なんか海外のイベントに出ないかってメール来てたんだけど、雅のとこにも届いてる?」
あんまりしつこく言って口をきいてもらえなくなっても困るので、俺は再び話題を変える。
「あぁ、来てた。芹沢さんから」
「BL緊縛を世界中にも広めるとか」
それは、来年春にドイツとフランスで開催されるフェチフェスイベントで、芹沢氏がプロデュースする企画だった。俺と雅、それに東雲さんというメンバー。
「海外のイベント見たことある?」
「いや、ないけど......やっぱすごい?」
「そりゃあもう。一回父さんと出たことあるけど、やっぱスケールが違うよね......もう、あっちこっちで普通にヤっちゃってるし、金髪巨乳の女がバイブ突っ込んで踊ってたりするし」
「うわー......」
「楽しみになった?」
昔の俺なら、金髪巨乳の外人とかヨダレ出るほど好きだったけど......だめだ、今はすっかり、目の前で綺麗に笑う男に骨抜きにされてしまっていて、巨乳を想像してみても何も感じない。
「いや......また、雅ちゃんと仕事できるのが嬉しくってそれどころじゃねぇ......」
俺の回答はどうやら正解だったらしく、雅は嬉しそうに笑うとパソコンを閉じて、キスをしてきた。
「彰吾とまた仕事できて、俺も嬉しい」
「......っ!」
雅ちゃんがデレた......!
その笑顔だけで、せっかく静まっていた俺の股間がむくりと頭をもたげたが、雅は俺の上唇をねっとりと舐めて食むと、スッと立ち上がった。
「そろそろ行かないと。早くそれどうにかしてよ」
着替えるために、今まで羽織っていたシャツを脱いで惜しげもなく俺の目の前に裸を晒す。男の身体にこんなにも欲情する日が来るとは思わなかった。透けるほどに真っ白で、恐ろしいほど肉のない華奢な身体。その中で、唇の赤さと性器の赤黒さがあまりにも淫靡で、目を奪われずにおれなかった。
「また後でね」
視線だけで俺を見ると、雅はきゅっと片方の口角を上げて笑いながらそう言った。
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