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76【Miyabi】
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「珍しいですね、蓬莱さんがそんなこと言うの」
「事実だからねぇ」
確かに蓬莱さんは還暦過ぎているけれど、そこらの同年齢のオヤジと同じとは思ったことはないし、蓬莱さんだって普段そんなに年齢を気にする素振りはなかった。
今日、彰吾を連れてきたのは特別深い意味はなかった。蓬莱さんにビビってる彰吾を見るのが面白いのと、蓬莱さんと彰吾で3Pになるのが楽しそうだと思ったからで。でも、今日の蓬莱さんは少し様子がおかしいようだった。
「蓬莱さんのこと、ジジイだなんて思ったことないですけど」
俺の体を拭き清めてくれている蓬莱さんの体に指を沿わせて微笑みかける。
「むしろ、若い人より誰よりセックスが上手くて、大好きなのに」
それは事実だった。セックスの上手さでいうなら、父を除けば蓬莱さんが一番だった。経験値が違う。
「この髪の色も、ごつごつしたこの手も、顔の皺も、全部好き」
これも、事実。ロマンスグレーの髪色は、ダンディーな蓬莱さんにとても似合っていて。若い頃はきっとものすごくイケメンだったのだろうけど、年を重ねたかっこよさが蓬莱さんにはあって、きっと70歳になっても素敵だと思う。
「......じゃあ、俺と結婚してくれる?」
「え?」
蓬莱さんが不意に真面目な口調でそう言うと、ベッドサイドの引き出しから小さな箱を取り出した。
気だるい体を起こせば、その箱を開けて差し出される。
「俺と結婚してくれ、雅」
そこには、宝石なんか詳しくない俺でも目を見張るくらい綺麗で大きなブルーダイヤモンドなあしらわれた指輪が輝いていた。
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