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お風呂は好きなようで
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俺はサッとかけ湯をし、浴槽に入る。
翠の体の傷が染みるだろうから
お湯はぬるめに設定しておいた。
翠が俺の使った洗面器を見ながら戸惑っていたから
翠にひと声かけてゆっくりお湯をかけてあげる。
あったかいと分かって安心したのか翠の肩が下がる。
これなら入れそうだな。
「ほら入んな。最初は染みるだろうけど
慣れちゃえば大丈夫だから」
翠がこくん、と頷き浴槽に体を沈める。
無論、最初はやはり傷が染みたようで軽く歯を
食いしばっていたが、少しすると慣れてきたようで
表情が柔らかくなった。
「お風呂…ぽかぽか」
翠が頬を赤らめ尻尾をゆらゆらと揺らしている。
喜んでくれて何よりだ。
「だろ?じゃあ少ししたら頭洗い始めるからな」
そう言うと翠が急に落ち込んでしまった。
「…ここ、まだいたい…だめ?」
垂れ下がった耳、八の字になった眉、
そして上目遣い...こんな子見て誰がダメって
言うかっての。
「頭洗ったらもっかい入ればいいよ」
「…うん」
そして翠の表情がまた柔らかく戻る。
さっさと頭を洗って早く風呂に
入らせてやりたいと思った。
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髪を洗い終わりシャワーで流している間、
翠はぎゅっと目を瞑っていた。そこまで強く
瞑らなくてもお湯は入ってこないのにな。
「終わったよ」
俺はシャワーを止める。
すると翠はフルフルと頭を振って
お湯をはじき飛ばした。
…本当に、犬なんだな。
まぁ俺は翠が犬だろうが人間だろうが
絶対嫌いになんてならないけど。
その後は翠の希望通り風呂に入り、
お湯を掬い遊びだす翠をのんびり見守りながら
二人でしばらくお湯に浸かっていた。
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