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今では遠い幸せ
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まず、お母さんが笑わなくなったんだ。
最初は機嫌が良くないのかな?って思ったけれど
違う、そうじゃない。お母さんは俺のことを
避けていた。
俺、何をやらかしちゃったんだろう…
それをどうしても知りたくて、お母さんの
元へ向かった。悪い事をしてしまったのなら
謝りたい。お母さんと話せないままなんて嫌だから…
そして目が合う。やっぱり微笑んではくれなかった。
思い切って問い出そうとすると、お母さんは逃げる
ような足取りで別の部屋へと行ってしまった。
「っ…」
…なんでだろう。まだ一言も話していないなのに、
胸がぎゅっと痛んだ。おまけに鼻の奥がつんとする。
こんなこと…初めてだ。
ねえ、俺が何をしたの?
謝りたいから、教えてよ…
無視なんて、しないでよ…
その夜、俺は布団に潜り込み眠れない夜を過ごした。
目を閉じてみると、幸せだった日が浮かんでくる。
だから辛くなって、目を開けた。その時視界が歪む。
…ああ、泣いてるんだ。
それは、涙が頬を伝う感触があるまで気付かなかった。
夢、だったらいいのにな…
崩れ始めている今を
認めたくなんて…なくて。
ついに睡魔の限界が来てしまい、初めて
真っ暗で何も無い世界に吸い込まれた。
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