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笑顔の裏は真っ黒
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それから少しの間大人しく待っていると、
つづるさんが戻って来た。急に障子が開いたから
少しびっくりしたけれど、一人じゃなくなって
安心する。
「ここまで疲れただろう」
そう言うと、俺にお茶の入った湯のみを
差し出してくれた。
「ありがとう、です」
落とさないように両手で受け取る。そういえば、
朝から何も飲んでいなかったな。だからこれは
凄く嬉しくて、早速湯のみを口へ運んだ。
つづるさんは俺が飲んでいる時も見ていて
なんだか恥ずかしかった。
喉が渇いていたから、ゆっくりだけど一度で
全部飲んだ。最後にふう、と息を吐くと
つづるさんが話し出す。
「それじゃあ、この中を回ってくれて構わないよ。
私はやる事があるから、一度部屋割りなど目を
通しておくといい」
「は、はいっ」
そうだよね。これから過ごすこのお寺の
部屋の場所とかが分かんないと困っちゃう。
それに、探検してみたい…かも。
俺は立ち上がり大きな障子をズッと
横に引き、お寺の中を回ることにした。
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「わぁ…!」
お寺探検の途中、俺は縁側に一人立ちすくんだ。
だって、目の前には緑溢れる木々がいっぱい。
ここに来る時にも木に囲まれてるってことは
知ってたけれど、こんなに大きい森だったんだ。
今、目の前にある風景に感動する。
俺は思わず釘付けになっていると、突然
頭がぼーっとして世界が傾いた。…なに?
次にばたん、という音と共に次は視界が床になる。
俺、倒れてるの?考えようにも頭がふわふわして
思考が回らない。
どうしよう…眠っちゃう。
そして、もう瞼が殆ど開けられない位になった俺の
視界に、和服の人の足元が見えたような気がした。
「つづ、る…さ……?」
俺はこれを最後に意識が
完全に無くなってしまった。
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