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君との始まりの日
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「すっごい嬉しい…ねぇ、君名前はっ?」
「っ……」
彼が何で喜んでいるのかが分からない。
僕と一緒なんて、絶対嫌なはずなのに。
そして僕は何も言えない。名前、無いし…
「あっ、先にこっちからだよな」
彼はヘラっとはにかんだ。どうやら名前を
教えてくれるらしい。…そんなの初めてかも
しれない。でも、名前を聞いたところで
どうなるんだろう。
「俺は秋。漢字ひともじ!」
「あ、き?」
「そう!それでさ、お願いがあるんだけど…」
やっぱりきた。名前を知るなんて単なる挨拶に
過ぎない。お願いなんて、どうせ痛い目に遭う
事に決まっている。
…逃げようかな。でも、この近距離じゃすぐに
捕まえられそうだ。すると予想が当たったのか
彼…秋が手を僕に伸ばしてきた。
「友達にならない?」
「…へ?」
さっきから何を言っているんだ?
思っていた事とは全く違う返事で思わず変な声が出る。
なに、秋は僕を使って何がしたいの?
もしかして…遊ばれてる?
僕は秋から目を逸らした。こんな態度をとったら、
相手が怒ることくらい分かっているのに。
しかし秋は気にせず粘ってきた。
「お願いっ!俺、自分以外の犬子と会ったの
初めてでさ。仲良くなりたいんだ!」
友達。仲良く。
誰でも簡単に口にできる言葉なのに、
僅かにそれに惹かれていく自分がいた。
でも…
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