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#4
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「はいはい」
僕の頭に、ぽんぽんとシセルの手が当たって、とても気持ち良い。
「んぇ、ふ、ぇへへ」
「うわずっるい。でもまぁ仕方ないけどさぁ…で、リコ。喜ぶのは良いけど、理解してる?」
「んと、よく分かんない」
「だろうと思った。えっとね、キリム氏はさっきキッドが言ってくれたように、うちには嫌々来てた。って事は、キリム氏自体はそう言う性癖持ちじゃないって事だよね。となると、そのキリム氏に対してうちが一番心配している、スタッフの子とか、商品に乱暴されるような上下関係を作られない様、あらかじめ釘を刺しておくことが出来るんじゃないかって話になる。
この手の人は、こういう性癖持ちに対して、嫌悪感を持ってることが多いからね。リコが今、キリム氏がうちに来た時のことを思い出させてくれたから、ここまで話が進んでるんだけどね、分かった?」
一言一言、僕が理解しているか確認しながら、エネがゆっくりと説明してくれるのを聞いて、僕は何とか話を理解した。事を察したのか、ノイが口をひらく。
「…後もう一つ」
「それは、ぇと、何?」
「…キッド。顧客名簿の確認」
「至急してきます」
ノイに指示されて、少年、じゃないや、キッドと言う名前の子が足早に部屋を出て行く。
「…もしエネの予想が当たっていて、キリムがうちの客に嫌悪感を抱いているなら、うちの顧客名簿の中から立花のメンバーをリストアップして置けばいい」
「んと、そうす、ると、どうなる、の?」
「…恩が売れる」
「恩?」
「…キリムの嫌悪する人種が、キリムの組織に居るって、教えてあげる」
そっか。仲間のふりをして、実はすごく嫌な人がいるなら、教えて欲しい。それをするために、お客さんの事を調べて置くって事か。うん、やっぱり二人は頭が良い。
「お待たせしました」
「居た?」
「判明したのは四人です。立花のメンバーについて公表されている情報とそうでないものがあるので厳密に調べれば増える可能性もありますが、少なくともこの四人の内三人は常連です」
「…上等」
「だね。よし、話は決まった。早速場を作ろうか。向こうは何て?」
「キリム氏は一任すると仰せでしたが、ディミー氏がキリム氏、そしてお三方を交えた場で話したいことが有ると仰せでした」
「内容については?」
「分かりません。伺いましたが、はぐらかされました」
「あの人がか…よほど内密にしたいんだろうね。分かった、うちに呼ぼう。
二人は、異論がある?」
「…無い」
「あ、んと、いつ、話すの?」
今日は折角、三日に一度の大事な日なのに。もう朝ごはんの時間はとっくに過ぎて、班の子とリンゴ食べようって、シセルのお膝の上でリンゴ食べようって言ってたのに。
僕の表情から何かを察したのか、エネが苦笑して僕に言った。
「リコ、今日じゃないよ。流石に。向こうにも都合があるだろうし、早くても明日。他に気になることある?…そう、じゃあキッド、向こうに連絡とって、調整頼むね」
「分かりました。夕食までになるべく済ましておきます」
「うん…それじゃあ、僕はもう食べ終わったし部屋に戻るけど、二人は?」
「…僕は少し、班の子に用事がある」
「僕、は、し、シセルと、一緒」
やった、まだ間に合う。
僕は時計を見て、コップの中のリンゴジュースを一気に流し込んだ。
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