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#4
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全面がタイル張りなのはしょうがないと思うが、その目地にびっしりと黒カビが生えており、シャワーには当然の様に赤さび。
床には何故か虫の死がいが所々に散らばっていて、生きているのも何匹か。
とりあえず足元に居た奴を踏み殺して、リコを下ろした。
「ねぇ、ここって掃除とか誰かしてんの?」
「た、ぶん、してない、です」
「…はぁ、特別ボーナスとか出ねぇかなぁ」
「ぇ?」
「何でもない。んじゃ、お湯は…ん?どうすんのこれ」
見た感じ、温度弁が無い。なのでそう聞いたのだが。
「どうって、ぇと、どういう、事、ですか?」
「だから、お湯、どうやって出すの?」
「ぁ、ぇと、ここは、お水しか、出ない、です」
「はぁ?……まじかよ」
このくそ寒いのに水で洗えと…ったくよぉ。
「後で何とか聞いてみるかなぁ」
「何が、ですか?」
「だから何でもない…はぁ、始めるぞー」
きゅっ、と蛇口をひねると、想像いていた通り冷たい水が降り注いだ。
「ぅあー、つめてぇ。おら、さっさと終わらすぞ」
「ひゃっ、ぁ、ぅぅ」
壁に軽く手を突くようにして後ろを向いたリコに、ざぁざぁと冷水を浴びせる。
出来るだけ触りたくないので何とか水圧で落とせるところは落とし、それでも落ちない所だけはしょうがないので手で擦って落とすことにした。
「ぅあー、つめてぇなぁもぉ…ん、これ血か」
太もものあたりに、赤い筋が数本出来て固まっていた。
軽く触っても取れそうになかったので、撫でるようにしてぐいぐいとこすり落とす。
「ぇ、あ、ぼ、僕自分で、できます、から」
「却下。どうせとろいし。言うの遅い」
震え出したリコを無視して、一通り身体を清め終わった。
「ん、終わり。で、タオルー…ん?タオルどこ?」
「た、たお、るは、ぼ、僕の、へ、やに」
「あ、マジで?ここ置いとけよなぁ。はぁ、おら、持ち上げるぞ」
「ふぇ?ぅぁっ、ぉ、ぁ」
今更ながら持ち方を考えてお姫様抱っこをしてやると、震えながらも恥ずかしそうに身を縮めた。
「部屋どっち?」
「ぁう?あ、ぇと、ぇと、あち、です」
だから指さすの下手糞か。
最早あてにならない指では無く、最初から腕の方向に当たりを付けて再度歩き出した。
…数分後。
「お前な、地下なら地下って言えよ。上の廊下三週もしたじゃねぇかよ」
「ぁ、ご、ごめん、なさい」
前後左右。ついでに床に天井まで。
六面を全て打ちっぱなしのコンクリートで囲まれた部屋で、タオルというよりも雑巾に近い布切れを使い、リコの身体を拭く。
「右手出せ…ん、逆の手…ばんざい…うし」
「ぁ、ぁの、僕、自分で、出来ます、から」
「…だからね、言うの遅いって。却下」
後足だけだろうが。喧嘩売ってんのかこいつ。
「おら、足上げろ…馬鹿、両足上げれるわけねぇだろうが、何跳ねてんだ。
良いから右足あげろ…ん、左」
足の裏はまぁ良いだろうと横着して、ようやく、リコの身体を清め終わった。
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