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#9
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そしてその日の夜。
受付の業務を終え、さあ仕事が終わったと一人ふわふわした気分でベッドに転がっていると、ドアの外、というか多分ドア自体が、ガタガタと鳴りだした。
ノック…じゃないよな。何だろ、廊下の掃除でも…無いか。
無視しても良かったのだが、割と無視できない程度にうるさかったので、一言文句を言ってやろうとドアノブに手を掛けた。
「ぁの、もう俺寝るんで、ってちょ、何ドア抑えてんです、ちょっと!」
「ぁうっ、はっ、んっ、ぅっ」
この声は…。
「リコ?」
「はぁ、あ?あ、ごめん、煩かった?」
聞きなれた声にドアをこじ開けると、行為中のリコと黒服がいた。
「あんたね、流石に場所選べよ」
「いやこいつがここで寝てたもんだから、つい」
言いながらも抽挿を止める様子はなく、それが妙に苛ついた。
「没収」
「んぁっ」
「ぅ、く、ぇ、あ、ちょっと、俺もうちょっとでいけそう」ばんっ
無理やり引っこ抜いたリコを、部屋の中に適当に投げ捨てる。
自分はベッドに腰掛けて、びくんびくんと震えるリコを数秒眺め、口を開いた。
「あのさ。リコ。真面目に聞きたいんだけど、突っ込まれんの好きなの?」
「ぇ、ん、すき、じゃ、なぃ」
「じゃあ何で抵抗しないの」
「ぼ、僕、僕、は、ぇと、ぅんと、仕事、だ、から」
「従業員に犯されんのは仕事じゃないよな。エネみたいに媚び売りたいなら別だけど…売りたいの?」
リコは腰だけを高く上げた体勢からどさりと横に倒れ、疲れ切ったようにそのまま緩く首を振った。
「じゃあ最初の質問に戻るわけだ。でももういいや。答え出そうにないし。お休み」
布団の中に潜り込み、意識を緩やかに濁らせていく。
「ぁ、お、おやす、みっ」
ふと、慌てたような、そんな声が聞こえて。
「おやすみなさい。だろうが」
強く指摘するでもなく、そうぽつりと、言葉を零した。
「——ぅ…ん。ん?」
何これ、何か抱き着いて…
「はぁ…リコ。何やってんのおま…じかよ」
「ぅにゅ、ぅ、ふ?ぁ、おは、よ、ぅ、ぇっと、シセル」
ふにゃあ、と頬を緩ませたリコを、容赦なくベッドから蹴り落とす。
「ぅぐっ、ぅぉ、ぅ、ぅう」
「お前な、百歩譲ってベッドに入り込んだのは良しとしよう。部屋に入れたの俺だし。
だけどな、何で何の後始末もせず、服も着ずに、昨日のセックスのそのままの恰好で寝てんだ?あ?」
「ぁ、え?あとしまつ、て、えっと、ぇと、あっ、シャワー?」
「そう。シャワー。そして服。何故服を着て無い」
「服は、ぇと、服、ぁ、外に、ある、ぁ、違いますっ、あり、ます」
あー…脱がされて、そのまんまか…
「ちっ、次はねぇから。分かった?」
「ぁ、い、はい。分かりました。ごめんな、さい」
当たり所が悪かったのか、リコは腹を手で押さえたまま床に正座して額を付けた。
「理解して、なおかつ行動に移せるなら別に良い。んじゃ、仕事行くわ」
「ぇ?あ、ぼ、僕も一緒にい」バタン
何か人の言葉遮るのが癖になって来たかも。
そんなことを考えて、また一日は始まった。
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