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#10
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そしてそこから更に二週間ほど経って、俺は三人目の商品と会う事になる。
因みにリコのストーカーは割と落ち着いていて、最近はシャワーも一人で黙って済ますことが増えた。
しかしというか、だからというか、その穴を埋めるように鬱陶しくなってきたのがエネ。
リコほどに付きまとってくるわけではないのだが、リコの様に折檻されている訳では無いのでとにかく聞き訳が悪い。
俺の姿を見つける度に「抱っこして?」とか「エッチ、する?」とか「脱がして見たくない?」とかいい加減本気で殴りつけてしまいそうで、でも一応商品だし、社長のお気に入りっぽいし、最近ではただただ俺のストレスを生み出すだけの存在になりつつある。
今日も今日とてそんな二人をスルーしつつ、逆にこなれて来たのは受付業務。
その日も何の問題も無く、気色悪い肌色の貯金箱を案内していると、店の奥から怒声が聞こえて来た。
「んだこいつはよ!何の反応もしねぇじゃねぇか!人形抱きに来てんじゃねぇんだぞ!」
「お客様、大変申し訳ございませんでした。すぐに別の子を付けますので」
対応をしていたのは割と古株の先輩だったが、その客は全く落ち着く様子が無く。
「うるせぇ!二度と来るかこんな糞みてぇな、み、せ」
おっと、これはちょっと穏やかに済みそうにないな。
鬼のような表情をした社長の登場にそう判断した俺は、受け付けていたお客を一旦待合室へと戻した。
「シセル!おい!ちょっと来い!」
「あーい」
軽く身だしなみを整えて、既に拳に血が付いている社長の元へと近づく。
「ぁひっ、ご、ごひぇんな、さびっ」
また一つ、お客の顔にへこみが増える。
「何すればいいですか?」
「中に居る奴の手入れ」
「…はい」
やっべ、本気でキレてる。
いつものようなチンピラ風では無い社長を見て、軽く鳥肌が立った。
で、中に居るって事はリコかエネかどっちで…ん?
「誰?君」
「…」
「もしもし?聞こえてる?」
ベッドの上で目元を腫らした少年が、こちらを向いて小さく頷いた。
「君、あー、えっと、名前は?」
「…ノイ」
「ノイ、ね。あ、あれか、商品…お客さん取った子?」
こくり。
「俺はシセル。君の面倒見なきゃだから、立てる?」
一切表情を変えずにノイは立ち上がって、こちらへとゆっくり歩み寄って来た。
「ん、よし。後始末するから付いて来て」
「…ぅん」
お。返事した。
静かすぎて付いて来てるか不安なため一応手を繋ぐと、一瞬不思議そうにこちらを見上げ、そしてまた手元を見て、もう一度「ぅん」と言った。
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