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#11
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そしてシャワー室に向かう途中
「ふーんふーん、ん?ん?あーっ!ノイずるい!何手なんか繋いでんの!?」
よりによって騒がしい方に見つかってしまった。
「うるっせぇな。仕事中だ。おら、持ち場戻れ」
「今社長がお客血祭りにあげてて廊下通れないから、お客さん来ないもーん」
なんでこう、日を増すごとにうざくなっていくのだろうか。
苛つきのあまりそんな事を半ば真面目に考えていると、ノイと繋いでいない方の手に軽い体重が掛かった。
「放せ」
「やーぁーだ」
「蹴るぞてめぇ」
「べーだ、蹴ってみろ」
ガッ、ゴンッ
あ、やっちまった。
ついぷっつんきて足首を蹴ったら思っていた以上に綺麗に払ってしまって、バランスを失ったエネはこれまた良い音をさせて、後頭部を強かにコンクリの床に打ち付けた。
「ぃ、つぅ、ぅえ、いだ、ひぐ、ぃだぁぁいぃぃよぉぉ!ぅうぇぁぁん!」
「…ぃこ」
「ん?…そうだな、気にせず行こう」
あまりに豪快な泣きっぷりに思わず見入ってしまったが、ノイに急かされて我に返った。
のだが。
「…おい、放せ」
「ぅぅぅあぁあぁぁん!」
「お前意外と平気だろ。いいから放せ」
「じぜ、ぇっぐっ、じぜるがげっだぁぁぁ!ぃだぁぁいぃよぉおぉ!」
がっしりとエネが俺の足首を掴み、というかしがみつき、放さない。
しかもその上俺の名前をかなり妙な言い回しで言うものだから、正直結構焦る。
ブチ切れ状態の社長が来て色々誤解が重なったら、面倒どころじゃすまない。
「…ぃこ」
「あー、ノイ。ちょい待ち。エネ、エネ。分かったから、一緒来ていいから」
「やた。ほら行くよ」
あぁ、マジで殺してやろうかこのガキ。
殺意に煮えたぎったはらわたにそっと蓋をして、シャワー室へと向かった。ら。
「ぁ、しせ、る?ぅ、ぼ、僕も、手、ずるい」
面倒事、パートツー。
「仕事だっつの。おら、エネもいい加減放せ。ノイ、自分でできるか?」
「ぅ…んん」
何だろうか、今の間は。
明らかに今「うん」と言おうとして、途中で止めたよな。
「ノイ。出来るだろ。正直に言え」
「…んん」
「うっそだー、ノイ自分ででき」ゴッ
あー痛い。今のは痛い。
「いぐぅぅ、ふ、うぅぅぅ」
ノイがエネの髪の毛を掴んで、結構な勢いで壁に叩きつけた。意外と暴力的なのな。
「自分でできるんならしろ。んじゃ」
ゴッ「ぐっ」ゴッ「ぇぁ」ゴッ「も、や」ゴッ「ぁ、ぁ」「分かった、分かったからっ」
無表情のまま淡々とエネを壁に叩きつけたノイは、そう言った途端に手を放す。
「…はぁ、お前、意外と一番面倒なタイプだろ」
「…んん」
薄く笑みを浮かべたノイを見て、とりあえずはと俺は蛇口に手を伸ばした。
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