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#14
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「ごめん、なさいって。言いに来たの」
「ごめ、な、さい」
「…ごめん」
「誰が謝れっつった。仕事の邪魔すんなって言ったんだよ」
エネがちらりと俺と新人が繋いだ手を見て、表情を歪ませる。
「仕事って、何?そいつの面倒?」
「ひっ」
一歩、エネが近づき、怯えたような声が聞こえた。
「お前ら、俺の言ったこと全然理解してないのな。それだよそれ。
正に今、お前らがしてる事。それが、仕事の邪魔。
俺は今、こいつの後始末をするっていう仕事をしてる。だから、シャワー室に行こうとしてる。その進路に、お前らがおっかない顔して立ってたら邪魔だろ。分かんねぇのか?」
「で、でも、でも」
「でもじゃねぇ馬鹿。邪魔っつったら邪魔。それは事実。動かねぇの。
大体お前ら仕事はどうしたよ。後輩指導しろって言われてただろうが、あ?」
「…してる」
「してねぇから言ってんだよ。新人脅すのが指導か?馬鹿が。
俺のせいにしてんじゃねぇよ」
「そ、そんな事言って無いじゃん」
「じゃあ何か?お前らただ単にこいつが気に入らねぇからちょっかい掛けてんのか?
それこそ馬鹿じゃねぇか。救いようがねぇな。もういい、どけ」
「ぇあ、あ、ぅ」
怯えてまともに歩けない新人を引きずるようにして、三人の間を通り過ぎる。
リコだけは唯一泣きながら何かを言おうとしていたが、他の二人は表情を変えずに正面を見据えていた。
…正直な所それが妙に、引っ掛かってはいた。
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