アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
#22(第一話 お仕舞い)
-
「一人で…えーと、三番の子が良いね。空いてる?」
「あー、はい、オプションは?」
「無しで良いよ」
「ノーマルプレイは一晩二万、中出しはプラス一万。フェラその他は要相談です」
「ほう、なかなか安いね。やっぱりオプション付けようかな…あぁ、まぁ、今度で良いか…ほら」
分厚いガラスの向こうに出した引き出しに、でっぷりと太った客が札を二枚入れる。
がらっ、と不愉快な音をさせてそれを引き、一万円札を二枚、確認した。
「丁度ですね。毎度。じゃあこれ部屋の鍵なんで、開けて入って待っててください」
「成程、そういう形式なんだね。シャワーでも浴びて待ってるとするよ」
「ごゆっくりどうそ」
鍵を引き出しに入れ、再び向こうへ押し戻す。
早くも興奮し始めたのか、そのデブは碌に挨拶もせずにエレベーターへと向かっていた。
その背中を見て、一言呟く。
「…きも」
その呟きが聞こえたかのように、タイミングよく電話が鳴った。
業務用の黒い電話では無く、チョコレート色の、俺しか出る事を許されていない電話。
「…はい」
『あ、シセル。お客さん居る?』
「今一人、案内しました」
『そうじゃないよ。分かってるでしょ?』
「…待ちのお客さんは、居ない、です」
『そっか、なら部屋おいで』
「あの、代わりの人は」
『すぐやるよ。良いから早くおいで。来たく無いならこっちから行こうか?』
「ぇ、あ、直ぐ、いきます」
『それじゃあね』
受話器を置いて、深く息を吸う。
重い腰を上げて一歩踏み出す。
鎖がガチャリと、音を立てた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
23 / 48