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32 よつばside
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櫻さんは僕に食べたいものを聞いてくれて、それを作ってくれた。
頼んだのはあの時目の前を通った男の子が言っていた『かれー』って言うご飯。
かれーは聞いたことあるし兄弟が美味しいって言ってたのも聞いたことがあるの
でも、食べたことがなかったから、とっても食べてみたかったんだ。
櫻さんはれとると?でごめんねって謝ってきたけど櫻さんが作ってくれたかれーなら僕は何でも嬉しいよ!
それに、温かくて僕が食べたいってお願いしたご飯を食べれるなんて、夢みたい!
目の前にあるかれーからはとってもいい匂いがする。
さっきから怒りん坊だった僕のお腹も早く食べたいみたいでぐるぐる鳴ってる。
櫻さんに渡されたスプーンでかれーを掬ってゆっくり口に入れる。
「…っ!、!!!!!」
なにこれ!!!!!
「どうだ…?美味しいか?」
うん!うん!!!!!
とっても美味しいよ櫻さん!!!!!
初めて食べるかれーは想像してたよりとっても美味しくて、いつの間にか目からぽろぽろ涙が出てきちゃった。
うんうんって頷きながら舌が痛くなっちゃうくらい温かいかれーを頬張る。
「泣く程美味しいのか?…良かった…ってよつば!喉に詰まると大変だからもっとゆっくり食え!誰も取らねぇよ…」
僕の頭を撫でて嬉しそうに笑う櫻さん。
こんな僕に優しくしてくれてありがとう。
美味しいご飯を食べさせてくれてありがとう。
僕の涙は全然止まらなかったけど、かれーを食べる手も全然止まらなかった。
初めて食べるかれーはすごく幸せな味がするけど、少しだけしょっぱい。
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