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スーパーから帰る途中、やたらと猫に遭遇して不思議に思って猫の後を付けてみたら電柱に寄りかかって眠る子供がいた。
何故かその子供の周りに猫が集まりにゃーにゃーと鳴いている。
その猫の中にはこの間店に来て食べ物を強請ってきたブタ猫もいた。
根元がはちみつ色で毛先が黒というなんとも不思議な色をした長い髪の子供。
細いし小さいからたぶん女の子。
こんな所で寝てるくらいだからきっと訳ありなんだろう。
可哀想だとは思うがこういうのには首を突っ込まない方がいい。
そう思ってその場を離れようとすると
ー きゅるるるるるるるぅ ー
切なげなお腹の音が聞こえて足が止まる。
振り返るとさっきの子供がお腹をおさえながらまた歩き出そうとしていた。
咄嗟にその子に手を伸ばし細い腕を掴む。
「なぁ、腹へってるなら、俺の店でご飯食べてかないか?お金はいらないから」
なぜか緊張して早口でまくし立てるように言うと遠慮がちにこくんと頷いてから俺をそっと見上げた。
深いようで薄い、透き通った海のような、初夏の新緑のような、不思議な色の目だった。
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