アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
12 よつばside
-
お風呂。
僕はそれがすっごく嫌いだ。
お家にいた頃よくそこに閉じ込められてたから。
お母さんの機嫌が悪い時とか、僕がお母さんを怒らせちゃった時は熱いお湯をかけられたり、冬なのにお水をかけられて裸んぼのまんまで閉じ込められたりもした。
それを思い出しちゃったらぽろぽろ涙が止まらなくなる。
そんな僕に櫻さんは手を伸ばしてくれたけどあの時のお母さんの手と重なって後ずさってしまった。
これは櫻さんの手なのに。
お母さんじゃないのに。
ちらっと櫻さんを見上げると悲しそうなお顔でまた僕に手を伸ばす。
…また怖くて逃げちゃう。
どうしてもお母さんが見えちゃって怖くて仕方ない。
来ないで、ごめんなさい、僕いい子にするから…お願い、お母―
「よつば」
僕の名前を呼ぶ声にハッとして顔を上げる。
そこには怖いお顔のお母さんじゃなくて、優しいお顔の櫻さんがいて
大丈夫って腕を広げてた。
櫻さんは僕を傷つけない。
大丈夫。大丈夫なんだ。
お母さんじゃない。
お母さんは、ここにはいない。
僕は大好きな暖かい腕に飛び込んだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
13 / 51