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家族全員で入れるようにと大きめに作られた湯船の中で俺の膝に向かい合って座り、泡で遊ぶよつば。
俺から離れてもっと盛大に遊んでもいいのに。
さっきから俺の胸に泡を付けて何かの形を作ってはお湯で流してを繰り返してる。
ちょっとくすぐったくなって動くとぷくっと頬を膨らませ怒った素振りを見せてくるのが最高に可愛い。
胸を泡だらけにしてくれた仕返しに小さな鼻にちょんと泡をつけてやるとよつばは何故かニヤニヤし始めて仕返しにならない。
「よつばー、降りて遊ばなくていいのか?お風呂広いぞ?」
今度は赤くなった頬に泡をつけてやると楽しそうに笑って首を降った。
ちらっと後ろの空いたスペースを見てから少し眉を垂らして俺の胸に抱きつく。
そのまま泡の付いた頬をぐりぐり押し付けてから顔を上げた。
そこにあるのは涙を溜めた不思議な色の目。
「お前…湯船も怖かったのか?」
よつばが少しだけ震えてるような気がして、優しく頭を撫でながら聞くと遠慮がちに頷かれて。
自分がよつばに我慢させてたんだと気づく。
お湯に浸かろうと言った時、嫌がる素振りを見せなかったから大丈夫なのかと思ってしまった。
風呂が怖いなら湯船も怖いなんて当たり前なのに。
もしかしたら風呂が怖いんじゃなくて水やお湯、もしくはシャワーとか、風呂の中にある物が怖いのかもしれない。
深く考えずに泡風呂で釣ってよつばを風呂に入れたことに酷く後悔した。
「ごめん…。俺何もわかってなくてまたよつばに怖い思いさせちまった。ごめんな。」
俺をじっと見つめていたよつばを抱きしめて、首元に顔を埋める。
こうやってまた何も知らない俺の行動が、何も言えないよつばを傷つけるんじゃないかって考えると少しだけ怖い。
よつばが俺を怖がるのが怖い。
抱きしめる腕に力を入れると誰かに頭を撫でられた。
その後頭にぐりぐり頬ずりされ柔らかい髪が耳にあたってくすぐったい。
「よつば…。」
よつばから体を離すとさっきとは打って変わってきりっとした顔つきのよつばがいて。
ふんわり微笑んでまた俺の頭を撫でる。
ピンクの唇が「ありがとう」と
動いた気がした。
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