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ルイが、ギュッと目をつぶる。
「だから…僕は…本当は…アーネストさんと一緒にいたい!…です」
ごめんなさい、そう小さく呟いたルイがそろそろと目を開けた。
「ルイ…俺はね…これからもずっと一緒にいたい。俺が出会って好きになったヒトはみんな俺を置いていくんだ。だから…もし一瞬だとしても…その一瞬をルイと過ごしたいんだ」
ルイが口角をあげる。
自然と笑った時よりも不恰好な笑い方に、改めて思う
なんて、可愛いんだろう。
一生懸命なルイは俺を慰めてくれようとしている。
そんなルイが生きる未来が、過去を塗りつぶしてしまうぐらい華やかなものにしてやりたい。
「シャル、ルイに何を言ったの?」
「ん?あー、アーネストはルイスが我儘言うと嬉しい気持ちになるんだって」
「アーネストさん…嬉しい、なってほしいから」
「ルイ…シャルもルイもありがとう!俺、2人のおかげで元気がでたよ」
俺が微笑めば、シャルが笑ってルイが頬をひくつかせる。
多分、ルイは笑おうとしてるんだと思う。
「俺は…幸せだね」
自分が歳を取るたびに、生きていることに落胆した
次の日がくることに自分の運命を呪った。
幸せなんて思う日がくるとは思わなかった。
ずっと一人ぼっちだった俺に生贄が側にいてくれたけど、皆んな人間は死んでいった。
俺を残して死んでいく。
「ルイも…」
「アーネスト?」
いつかは、ルイも俺を残して死んでいく。
また、涙が出そうになり無理矢理笑顔を作った。
初めてだった。
生贄の人間が死ぬことに悲しくなったのは。
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