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「アーネストくん、仕事ははかどっているかい?」
「上官、はい」
「そうか…今日の午後は空けといてくれよ」
「いや、今日の午後は…」
「なんだい?」
上官の目の黒目が淡く光った。
ヴァンパイアの目は自在に操る事ができるが、心の持ち方で変わってしまう事もある
淡く光るのは、感情の不安定さを示している
つまり、この場合…怒り…かな
「わかりました、空けときます…」
「そうか…今日も頑張ってくれ」
はぁ…めんどくさい
ヴァンパイアの上下関係も地上のあれとあまり変わらない
上官が右を向けと言われれば右を向かなければいけないし左に行けと言われれば左に行く
まぁ、なんとか誤魔化して早く帰ろう
「シャル、今日の午後に野暮用ができたんだ…先に行っててくれる?ルイにはなんとなく言っといてもらってもいい?」
「はぁ?なんだよ、野暮用って」
「上官だよ」
「なっ…あれ程気をつけろって」
「気をつけようが無いよ…本当にごめんね…ってルイに言っといて」
仕事だって、長時間拘束される事だって、時間が経てばルイに会えると思って頑張れたのに
最悪な1日だぁ…
シャルは呆れた目を向けてくる
一応、断ったんだがなぁ
「わかった、ルイスくんにはなんとか言っておく、早く終わらせてこいよ」
「うん、ありがとうシャル」
シャルが行ってから、俺も仕事に戻ろうとした時だった。
目の前に砂嵐が流れ頭が重くなる
俗にいう立ちくらみというやつで
最近、新鮮な血を飲んでない。
ストックしてある人工的に作られた血を、この前一本だけ飲んだだけだ
ルイを襲うつもりもないが、ルイ以外の血を飲むつもりもない
「はぁ…」
息苦しくなり、本格的に力が入らなくなる。
血が欲しい。
甘い血が飲みたい。
肌に牙を突き立て、力を入れれば甘い血が口内に流れ込んでくる。
人間は快感に身体を震わせるだろう
なんて、魅惑的なものだろう
「駄目だ…ルイ…会いたい」
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