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「しゃーねーからお前の話を聞いてやるよ」
不思議そうに此方を見るルイスくんの金色の瞳を見返す
わからない事は一度声に出してみると案外、ほつれてくるもんなのだ
「僕…ズルいんです…自分からは言えないくせに、何もあげられないくせに…欲しがってばっかで」
「うん」
「アーネストさんがくれる…好き…とか…愛してる…とかすっごく嬉しいんです。欲を言えば…もっと欲しい…僕の居場所が…アーネストさんの中に欲しい…」
やっぱり泣かないのか
「なんで、ただ、好きって言えばいいだけだろ」
コイツは何をそんなに悩んでいるのだ
思っている事がたるのなら口にすればいい
それが、何故出来ないで自分が苦しんでいるフリをするのかが俺には理解できない
「僕…人間じゃないんです…」
「は?」
「僕が…アーネストさんに“好き”って言ったらあの人は僕の血を飲むでしょう」
「まぁ、だろうな」
「僕はあの人と違うから…どんなに愛されても愛す事ができない」
人間ではないとはどういう意味なのだろうか
お互いがこんなに苦しんで愛し合っているのにどうして伝えられない想いなんて存在するのだろうか
頭の堅い俺には到底理解できない
「あー!わっかんねーな‼︎」
ルイスくんが驚いて顔をあげる
「好きなら好きでいいんだよ!」
「だから…僕は…」
「人間じゃないってどういう意味なの?」
「…混血です…」
「混血?」
地上には、時々天使だとか悪魔だとかが人間を抱く時がある
それを受け入れるだけの器と度胸
極稀に、天使か悪魔の混血が人間として産まれてくるらしいと聞いた事があったような、なかったような
「どっちなんだ?」
「その…」
吸血する際に天使でも悪魔でも、血を飲めば俺たちにそれなりに影響する
その事を何故知っているのかは、わからない
「その…」
「早く言え」
「僕は…」
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