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「おやおや」
そいつはやっと立ち上がり俺の前に見えない結界が張られる
太陽の何倍も明るく熱いそれに触れた手が焼け溶けた
なくなった右手を確認し飛び抜く
「大丈夫ですか?」
「うるせぇ」
「やめてくださいっ!」
聖堂にルイの声が響いた
「やめてください…やめて…」
ルイが柔らかく笑った
「…ほぅ…お前はもしかして…」
「僕は…混血です。悪魔と天使から生まれた…汚らわしい血を持つ…混血です」
「君が…そうなんですね」
「貴方が知らないのは…僕をなかった事にしたい存在だからですか」
「いいえ。貴方は最初から天界には存在していません」
ルイが手を握りしめる
焼け溶けた右手はまだ再生しない
血が足りない
血がほしい
血が足りない
血が足りない
血が足りない
「おい、アーネスト…」
シャルが小さな声で俺を呼んでいる
お前じゃない
俺が求めているのはお前じゃない
「アーネストさん…」
「ルイ…?」
ルイが深く被った頭巾を外して俺の元に小走りで近寄ってくる
露わになった顔にシジィどもが息を飲むのがわかった
空気が少しだけ鋭くなる
「ルイ…?」
「アーネストさん…僕を…僕を守って」
「あっ…」
ルイが自分の腕をガラスの破片で斬りつけ血を垂れ流す
会った当初よりも魅惑的な香りを醸し出すようになったルイの血によだれが出る
俺が作った甘い血
混血であるからか、吸血後はルイの身体に大きな負担になってしまう
それでも、ルイは差し出してくれるのだろうか
「アーネストさん…帰ったら…ギュッとしてね」
「あぁ…ルイ、ありがとう」
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