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着いたのは、教会
魔界に唯一存在する、その場所は荒れ果て酷い状況にある。
祈る者はいても、管理する者が存在しないのだなら仕方がない。
お偉いさんがほんのした遊びで作った教会には、意外にも訪れる者が多い。
まだ、縋っているのだ
神という架空の人物に
「いるんだろ?」
「やだー、昔はもっと、優しかったじゃない?」
高い声が教会に響く。
嫌な声に、無性にルイの声が聞きたくなる
俺の名前を呼んで欲しい
どうしようもなくて、俺に縋り付き、俺の名前を呼ぶルイは堪らないのだ
「ちょっとー、私がいるのに違う子の事考えてるのー?」
アデラは妬けちゃうわと呟き、姿を見せた
あの頃と変わらない美しさも今の俺にすれば、何も感じない。
否、美しいと言ってもいいのかさえ、わからない
悪魔に堕ちきった彼女の嫌らしい微笑みに、吐き気さえした
「私、美しくなったでしょう?」
「…本気で言っているのなら、とんだ笑い者だな」
「…私、何するかわからないわよ?…私の元に帰ってきなさいよ」
「俺に関わらないでほしい」
「…あの子には?」
「やめろ」
少し睨めば、面白いようにビクついた
まだ、人間としての部分は残っているのだろうか
それとも…
か弱い所を見せれば、俺が落ちるとでも思っているのだろうか。
浅ましいヤツめ
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