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小澤悠斗 10 (修正済)
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翌日。
僕は、久しぶりの気持ちのいい朝を迎えた。
今までうじうじ悩んでた
悩み事もなくなったからかなと思いながら
制服をぴしっと着こなし、ドアを開けた。
いつもなら玄関先にいる宗助君の姿が
見えなかったことに驚いたけど、
その反面ほっとして、
その代わりそこには燿の姿があった。
「おはよ。燿」
携帯を触りながら門によりかかっている
燿に挨拶をする。
「おはよ、湊」
携帯から顔を上げ、
はにかむ燿はなんだか元気がなさそう。
どうしたんだろう。
「具合でも悪い??」
びっくりしたように目を見張り、
ふっと笑った。
えっ違うのと間違いをしてしまった
自分が恥ずかしくなって俯いた。
「湊が昨日、江端に襲われて
小澤に助けてもらったって聞いたから
今日来ないんじゃないかって心配してたんだ」
燿にも知られてたんだと
一層恥ずかしくなる。
同時にあの時のことが鮮明に思い出された。
「湊は優しいし、真面目だし、可愛いから
湊が傷つかないか心配だ」
切なそうな声が僕の胸をきゅっとしめて
顔を上げて燿の顔を見ることは出来なかった。
「江端とはちゃんとした方がいいと思う」
その言葉に頷き、
「今日、言ってみる」
これ以上心配させないように
顔を上げてにこっと精一杯笑った。
学校に着くと、
僕の下駄箱の前に
宗助君が立っているのが見えた。
「湊。おはよ」
僕の姿に気が付くと、
駆け寄ってきて僕との間に
気まずい空気が流れ出す。
「江端、湊に何したのか覚えてんのかよ」
僕の隣からも憎悪の声が聞こえてきて、
このままじゃ喧嘩になっちゃうと
勇気を振り絞って声を出した。
「宗助君、僕、君とちゃんと話したい」
宗助君と本当の意味で
ちゃんと目が合った気がする。
宗助君の瞳は、動揺しているのか揺れていて
僕の話したいことが分かったような
そんな瞳だった。
「……わかった」
じゃぁ放課後なと踵を返し、
僕らの前を去った。
「湊……」
心配そうに僕を見る気配がして、
僕は燿に精一杯笑って
「僕、頑張るから。早く教室行こ」
燿の手を引っ張って僕らも教室に急いだ。
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