アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
恋人になりたい 8
-
教室に向かうと、
小澤君がいつものようにクラスのみんなに囲まれていた。
少し前までは僕は小澤君が視界に入るだけで
目をそらしちゃったり、
顔を背けちゃったりして
すっごく気持ちが沈んじゃったのに
今日はまったく正反対で
小澤君が視界に入るだけで
うれしくて
はずかしくて
にやけちゃう。
ずっと見つめてたから小澤君にも気づかれてしまう。
「委員長、おはよう」
にこっと挨拶をしながら僕に近づいてくる。
「お、おはよう…小澤君」
委員長って呼ばれたのがちょっぴり寂しかったけど、
みんなの前だし、急に僕と小澤君がかかわってるなんて変だよね。
「今日、ごはん、一緒に食べよう」
みんなの視線を盗んで小澤君が、こそっと僕の耳に吹き込む。
「……う、うん」
突然のことに恥ずかしくなって耳まで真っ赤になるのがわかる。
ゆでだこみたいに真っ赤になりながら頷いた僕を見て
小澤君の右口角があがった。
「湊、真っ赤、かわいい」
また僕の耳にそんなことを吹き込んできて
小澤君の息だとか、声だとかいろんな情報が頭の中を駆け巡った。
たまらず僕は、ぎゅっと目を閉じて
小澤君から逃げるように自分の席に着く。
「……かわいいなぁ、もう」
そんな僕を見て小澤君がぼそっとつぶやいたのが聞こえたけど、
気にしないようにして恥ずかしさと顔が真っ赤なのをばれないように
机にうつ伏せした。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
60 / 83