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恋人になりたい 9
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4限のチャイムがなると、僕は、はぁっと息をつく。
正直、午前中の授業、ほとんど頭に入ってこなかった。
理由なんてきっと小澤君が今朝僕の耳に小声で
かわいいだとかいうからだ。
ずっとそんなの、僕の意識とか無関係に
繰り返し再生みたいに流れて
すっごく恥ずかしいのと嬉しい気持ちが混ざって
そんな状態だから
授業なんて入るはずもなく。
委員長なのにこんなんでいいのかななんて。
きっと誰もこんなことを考えて心の中にやけちゃってるなんて
考えないだろうななんて。
そんなことを考えながらも小澤君が席を立つのが見えた。
そうだ、お昼ご飯誘われたんだった。
急いで僕もお弁当を持って席を立って小澤君の後を追いかける。
人気が少ないところまでくると、
小澤君が振り向いた。
「いつもと反対だね」
そういいながらにこっと僕に微笑みかけてくる。
その言葉にはっとして思わず笑ってしまう。
「湊のこと、いつも追いかけてるの、俺なのに」
そんなの本当は違うよと思って首を振っていると、
抱き寄せられる。
「……え、小澤君……」
小澤君の体温だとか息遣いとかがダイナミックに伝わってきて
僕はまた真っ赤になる。
「ここ……学校だよ」
なんとなく力が抜けて小声になってしまいながら小澤君に伝える。
「そんなの、わかってるけど、湊のこと抱きしめたい」
ぎゅっと僕を抱きしめる力が強くなって
僕の耳元でそんな恥ずかしいことをいう。
「湊、すきだよ」
なにもいえなくて固まってる僕に
すきだよなんて囁いてくる小澤君に
応えたくて
力を振り絞って
ぎゅっと僕も抱きしめ返した。
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