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恋人になりたい 12
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放課後、教室を出る時に燿に声をかけられた。
「なぁ、笹本まりあって知ってる?」
えっと声を出しそうになる。
燿がその名前を出してくることは想定外すぎて
な、なんでと言う。
確かに燿には親がカフェ経営してるってことを
伝えてあるけど、
恥ずかしくて細かいカフェの情報、
メイドということや
場所は言えてない。
だから従業員のことを
知っていることがびっくりで。
「こういう話は不安にさせるかもって
言えなかったけどさ。
やっぱり言うべきだと思うから」
ぽりぽりと頭をかきながら
「1ヶ月前くらいからの噂で
小澤の周り嗅ぎ回ってるらしいぜ、
特に小澤の女関係しらみ潰ししてるらしい」
だからそいつが来た時は、
何も知らないで通した方がいいと言う。
「う、うん…ありがとう、気をつけるよ」
どうしよ、付き合う直前とか
なんか言っちゃってるよと
心の中はパニックだけど、
燿を心配させないようにそういっておく。
燿はそう言うと用事あるからと
珍しく僕を置いて先に帰ってしまった。
まりあちゃん、いい子そうなのに
そんなに怖いことしてるんだと思いながら
帰りの準備を終えて下駄箱に向かうと
小澤くんが待っていてくれていた。
「お待たせ」
ただ立ってるだけなのに
モデルのようにかっこいい彼が
僕の恋人なんて少し不思議な感じだな。
「今日は、遠山は一緒じゃないのか」
いつも登下校一緒だからか不思議に思ったのか
そんな質問を投げかけられた。
「たぶん、気を使ってくれたんだと思う」
へぇ、意外とそういうところ
気を使ってくれるんだなと感心したように
小澤君が笑った。
「てゆうか
学校では湊といちゃいちゃできないから
俺もう限界」
下駄箱から靴を取り出して履こうとすると
小澤君が後ろから抱きしめてくる。
「…お、おざわくん」
急なことでびっくりしまうと同時に
顔が熱くなる。
心臓が張り裂けそうなくらい
どきどきうるさくて
ここまだ学校だよという声も
小さくなってしまう。
「もうみんな、帰ったよ。
誰もいないから大丈夫」
小澤君はそんなことを言うけれど
僕は恥ずかしくて
どきどきうるさい心臓をどうにかしたくて
「は、はやくかえろ」
と後ろをばっと振り向いて
小澤君から離れる。
「きょうは店の手伝いもないし、
早く帰ってテレビみたいな~」
ごまかしたけど、
少し不自然になってしまう。
ちらっと小澤君を見ると、
やっぱり離れられたことが
不満だったのか、
すねたような顔をしていた。
「…手でも…つなぐ??」
そんな顔を見てしまうと、
悪いことをしたような気持ちになって
手をつなごうと提案をする。
僕から提案されたことがうれしかったのか、
さっきまでのすねたような顔はどこかに行って
満足そうに僕の手を握ってきた。
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