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恋人になりたい 13
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付き合ったのが昨日で
「日曜日のデートどうする?」
小澤くんが、そう切り出して
僕は、デートという言葉に
はっとなる。
付き合った嬉しさだとか
小澤くんが僕をドキドキさせる行動で
ちょっと忘れてたなんて言えない。
「……僕は、小澤くんとなら
別になんでもいいんだけど」
デートなんてしたこともないから
どうしよう。
何すればいいかなんでわかんないし、
小澤くんに任せた方がいいかなと思って
そんなことを言う。
小澤くん、女の子絶えなかったし、
そういうのきっと慣れっこだよねと
自分で思ったのにも関わらず、
落ち込んでしまう。
「なんでもかぁ……」
小澤くんとはいうと、
僕の返事にちょっと困ったような顔をして
「わかった、俺の方でなんか考えておくよ」
はにかんでそう言ってくれたけど、
もうちょっと考えて
希望を言った方が良かったかな。
今日は木曜だし、
日曜日まで今日を合わせると3日もあるし
それまでに僕もデートについて
準備なにかしておこうと思ったり。
「それじゃぁ、ここで」
僕を家まで送り届けてくれた
小澤くんにばいばいと手を振って
背を向けようとしたとき、
手を強引に引っ張られて
一瞬で顔が近づいて
「湊、また明日ね」
いたずらっぽく笑って
離れていく小澤くん。
突然のことだったし、
キスされたってやっと分かると、
顔が熱くなるのを感じた。
「お、小澤くん……、
また明日ね」
本当は、すきって言いたかった。
けれど、あんまり頭が動かなくて
結局言えたのはそれだけだった。
僕がどんな顔をしているかなんて
想像したくなかったけど、
小澤くんは、僕の顔をみて満足したようで、
にこっと笑いながら来た道を
戻っていくのだった。
誰もいなくなったそこを
しばらく見つめていた僕は、
小澤君の少しキザで
僕をときめかせてくる行動に
うるさくなった心臓を落ち着かせるのに
大変だった。
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