アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
まりあちゃん 1
-
そして、日曜日。
まりあちゃんからデートの場所は、
今、新アトラクションで話題の遊園地だった。
普段なら少し苦手だと思ってしまう僕だけど
案外楽しいかもしれない。
だいぶ早く来たつもりだけど、
小澤君とまりあちゃんが既に待っていた。
小澤君は、前に見た通り
やっぱり私服姿もかっこよかった。
濃い青のセーターと黒いズボン姿で。
ここにいる誰よりもキラキラしていて
誰もが小澤君を見ているようだった。
因みにまりあちゃんはというと、
フリフリの短めの薄ピンクのスカートに
黒いふわっとしたセーターを着て
先の方がくるっと巻いたポニーテールで
こちらもモデルさんのように可愛かった。
傍から見たらカップルにしか見えなくて
通りがかりの人も
「付き合ってるのかな?」
「お似合い〜」などと囁いてる。
なんだかとっても申し訳なくなってきた。
キラキラの小澤君の恋人が、
こんな女装している男なんて。
1人で落ち込んでいると、
小澤君が僕に気がついたみたいで
そばに来た。
「…湊?、おはよ」
ぽんと頭に手を置かれて見上げると
小澤君が微笑んでくる。
ちょっぴり泣きそうになったのを我慢して
「小澤君、おはよ」
にこっと微笑み返した。
すると
小澤君が耳元で
女の子の私服も似合うね、可愛い
なんて褒めてきて、
一瞬で
僕の少し落ち込んでいた気持ちが
どっかに行った。
スカートなんてメイド服でしか着ないけど、
今日のために急いで買ったワンピースを着て
髪も少し巻いてきたのだった。
初デートに着ていく服が、
女物になるとは思わなかったけど
似合ってるなんて言われて
嬉しくないはずがなかった。
「あ、みなちゃん、来たんだ〜」
おはよぉと手を振りながら
まりあちゃんも僕の傍に来た。
「まりあちゃんおはよ」
別に来なくてもいいのになんて
小さな呟きが聞こえたけど、
気にしないことにする。
ふと見ると、まりあちゃんの後ろから
かっこいい男がやってくる。
「ごめん〜遅れた」
小澤君はハーフイケメンだけど、
この人は爽やかなイケメンって感じだ。
もう遅いとまりあちゃんに怒られている
ところをじーっと見ていることに気づかれて
「初めまして、杉山潤です」
みなちゃんだっけなんて言いながら
握手を求めてくる。
「初めまして、小澤悠斗です」
その握手を取ったのは、
僕じゃなくて小澤くんだったけど。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
67 / 83