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まりあちゃん 5 (杉山side)
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いつも店に行って
ただ遠くで眺めているだけじゃ
どこかで満足出来て
いなかったのかもしれない。
みなちゃんには悪いけど、
距離を縮める絶好の機会だと
俺は思った。
最初からまりあに
シャッフルデートのことを
聞かされていた。
そこでみなちゃんを
落とせって言われたのも。
恋愛なんて
この容姿から困ったことないし
いつも女の子から
告白されて付き合うかみたいな感じだったし
なんなら
キザな台詞で
お姫様扱いして
みなちゃんを落としても良かった。
だけど、
みなちゃんを落とせって言われたから
するなんて気乗りはしなかった。
だから少しでも距離を縮められれば
いいかなって言う感じだった。
でもまあ、
みなちゃんが調理スタッフのあいつと
付き合ってるって聞いたら
ちょっぴりあいつを
からかってやりたくなったのかもしれない。
みなちゃんとあいつは、お似合いで、
ちょっとムカつくし。
お化け屋敷についてみると、
結構雰囲気が出てて怖そうだった。
さすが怖いって話題になるくらいだ。
ちらっと横を見ると、
みなちゃんは、へぇ、雰囲気あるねなんて
ちっとも怖がっていやしなかった。
少しは怖い〜なんてこといったらいいのに。
でも取り繕わないところがいいよね。
お化け屋敷リタイアする人も多く、
前に結構な人が並んでいたはずだけど、
回転が早くすぐ俺らも入ることが出来た。
「そんなに怖いのかなぁ??」
なんて、みなちゃんは言ってたけど、
頬にあたる妙な涼しい風や
チカチカと点滅を繰り返しているライト
結構怖いかも。
意外と怖がって抱きついてしまうのは
俺かもしれない。
少しかっこ悪いけど
それもそれでいいかもな。
隣を見ると、みなちゃんと目が合った。
「1人じゃ結構怖いと思うけど、
杉山君と2人だから怖くないね」
にこっと笑いながらそういってきた。
たぶん本当にそう思っていったんだろうが、
半ば吊り橋効果?と
元からみなちゃんに好意があることによって
みなちゃんが可愛くて仕方が無くなった。
「…みなちゃん」
気持ちが抑えきれなくなってきて
みなちゃんの小さな手をそっと握った。
チカチカと点滅するライトが、
みなちゃんの赤くなった顔を照らしていた。
「友達でも、手くらい繋ぐし、
こんなくらい所じゃ、
はぐれちゃうかもしれないから
繋いでるんだよ」
そんなみなちゃんを見ていると、
なんだか、俺も恥ずかしくなってきたので
言い訳のようにそんなことを言った。
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