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やり直し3
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バイト後、
まりあちゃんと運悪く上がりが一緒だった。
気まずいなと思いつつ、
ロッカーを開けていると
着替え終わったまりあちゃんが
話しかけてきた。
「おつかれさま。
ねぇ、みなちゃんは、
本当に悠斗くんのこと好きなの?」
唐突にそんなことを聞かれてしまって
急に顔が熱くなるのが分かる。
「ど、ど、どうしてそんなこと聞くの」
反射的にまりあちゃんの顔を見てしまう。
「だって、みなちゃんばっかり…!!
みなちゃんも悠斗くんがかっこいいから
付き合ってるだけでしょ!」
悠斗くんはみなちゃんのこと
好きなのはわかったけどと言いながら
「みなちゃん、杉山くんでいいじゃん」
強い口調だったけど
まりあちゃんが泣いてるように見えた。
「……まりあちゃんは、
悠斗くんの顔だけが好きなの?」
同じ人が好きで、
ライバルとして、
その言葉が許せなかった。
僕の言葉にはっと息を詰ませて
バツが悪いような顔をした。
「ねぇ、まりあちゃん。
私は、悠斗くんの顔だけが
好きなわけじゃないよ」
だから絶対、
まりあちゃんには負けないし、
まりあちゃんに、渡さないと言う。
「まりあちゃん、本当に好きな人見つけなよ」
なんだか居づらい空気になってしまった。
それ以上声かける言葉が見つからなくて
迷っていたところ、
しばらくすると
まりあちゃんが無言で立ち去ってしまった。
僕の言葉がやはりまりあちゃんには
強く刺さりすぎてしまったのかもしれない。
✳
着替え終わって
気が晴れない気持ちのまま、
店の裏口から出る時、
杉山くんがいた。
もちろん僕は着替えてしまっていて
制服は男子生徒用の制服だから
ウィッグつけて出る訳にも行かないから
いると分かっていても
女の姿で帰る訳には行かなかった。
だから杉山くんがまっている”みなちゃん”には
会えるはずがなかったのだ。
とにかく俯いて
早く通り過ぎれば
なんとかなると思ったけど
「ねぇ、君」
杉山くんに声をかけられてしまった。
ここは、聞こえないふりをして
通り過ぎるしかないと思ったけど、
「ねぇ、君ってば」
肩を掴まれてしまった。
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