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必然的かもしれない出会い 2(修正済)
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それは、一週間ほど前の出来事だった。
僕の両親は、メイド喫茶を営んでいる。
たまに僕も応援として厨房で手伝ったりと結構、繁盛している店である。
「湊、ごめんね、今日は桐谷ちゃんと川村さんもお休みだし、
湊しかいないのよ!
ね、お願いよ、ママのハンバーグつくってあげるから、ね?」
そんな日の中、
僕はメイドさん――いやもともとバイトの子が少ないのにも関わらず、
二人もの欠勤が出てしまい、
お店はとても危険な状態で僕にも表に出てほしいということである。
お店に出ると言うことは、僕は女装をしなくてはならないので、
本当は絶対にやりたくないが、
母さんのハンバーグと聞いて引き受けてしまったのである。
「ま、しょうがないよね!」
僕は気を取り直して表に出た。
そしてその数時間後、男子だと見破られることが起きたのである。
その事件は僕がスタッフルームでウィッグを外して
汗を拭きながら休んでいるとき、
彼がなぜかそのスタッフルームに入ってきたのだ。
後からこれは母さんに聞いたのだが、
彼はたまに厨房を手伝ってくれる腕利きバイト君であるらしい。
もちろん僕はそんなこと知らなかったし、
学校から結構遠いところにあるこの喫茶店では
僕の知り合いにすら会ったことがないため、
もしバレても他人だと確信していたので腹をくくっていたところに
彼のご登場だ。
「蔵本湊君だ」
彼も一瞬驚いたらしいが、
すぐにバカにしたような乾いた笑いをくれながら僕を指差して言う。
ヤバい、人気者の小澤君にバレたら一塊もない。
僕の優等生学級委員長としての人格がくずれる!と思い、咄嗟に隠す。
「蔵本湊?えーっと、知らないなぁあー。私はみなだもん」
乾いた笑いをしながらウィッグを着けてお店へと出る。
後ろから「ちょっと待て」というお声が掛かるが、
僕は逃げるように聞こえないふりをして”みな”を演じる。
てゆうかなんであの人気者の小澤くんが?
絶対誤魔化し聞かないどうしようなどともんもんと頭の中に駆け巡るが、スタッフルームを覗くと誰もいないし、
帰ったのかなと思ってほっと息をついて、店の手伝いに戻ったのだった。
そんなこんなで彼とは先程の件以外関わることなく
無事に仕事を終えることが出来たと思ったのだが、
お店を出て自宅に帰えろうと思ったらお店を出て
ちょっと行った先に小澤君が待っていた。
「やっぱり蔵本委員長だ」
クスッと笑いながら僕を指差して呼んだ。
コバルトブルーの真っ青な瞳は一点のくもりもなく、僕を捕らえる。
まるで僕は鼠で彼は猫のような関係であるように思われた。
この日を境に僕への彼の関心は進み、
ストーカーされるようになったのであると思われる。
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