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蔵本湊 1 (修正済)
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黒髪にくりっとした二重の瞳、
身長162㎝と少し小柄だが、
多分俊敏な動きをしている色白の僕は、
勉強するとき、授業を受けるときは
眼鏡着用である。
これは伊達とかじゃなくて
本当に目が最近、悪くなってしまったからだ。
もともと、父も母も目が悪い方ではないので、
遺伝的なものではないとすぐに理解する。
目が悪くなってしまった理由の大きな一つとして、
マンガとかの娯楽を読み過ぎと言うところか。
ありきたりな理由だが、
僕にとってはかなり珍しい。
普段、マンガとかそういうものとは
無縁であるこの僕だが、
最近、メイドたちの衣装づくりまでに
駆り出されているため、
そういうのを見たり読んだりして
デザインを勉強しているのである。
さて、今回はどんな服がいいかなと
今はやりの少女漫画を読みながら
廊下の角を曲がる。
その時、誰かとぶつかってしまう。
相手が悪かったんだと思う。
それが僕の尊敬する先輩、
山川幸正(やまがわ ゆきまさ)だったとは。
僕と彼の関係は委員会の先輩と後輩であり、
ちなみに僕が勝手にあこがれている
この気持ちは彼には伝わっていない。
「ゆ、幸正先輩……!」
「あ、蔵本君。
ん…?、落ちているよ……」
先輩に会えたと感激している間に
悲劇の種は生まれた。
落ちているよと先輩の手には例の漫画本が。
「……!!」
声にならない悲鳴を上げながら
さっと先輩の手からその本を回収する。
「……蔵本君って
そういう趣味だったんだね……」
困ったように微笑みながら
じゃっと優しい先輩は逃げるように
そういって僕の横を通り過ぎていく。
きっとあきれられた。
少女漫画を見ている男なんてちょっと引くよね。
こんなこともうごめんだし。
読みながら歩くのは、
一切やめるということを決断したのだった。
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