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蔵本湊 15 (修正済)
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決意を改めて固めた僕は早速、
彼を下校に誘ってみることにした。
「あ、あのっ!小澤君……」
ホームルームが終わると
同時に教室を出てしまう
彼のワイシャツを慌てて掴んで引き止める。
彼独特のコバルトブルーの瞳が
僕を捕らえて離さない。
思わず目が離せないまま、
僕は固まってしまって次の言葉を失う。
いつもは僕が帰りの仕度が
終わるまで待っててくれるのに。
どうして?という疑問だけが
僕の真っ白な頭の中に浮かぶ。
「……蔵本君、どうしたの?」
少しの沈黙を破ったのは
くしゃっと顔を少し歪ませて
笑う彼だった。
今日は変だよといい
首を傾げて僕の言葉を待ってくれる。
「あ、あのねっ……その……っ」
誰かと一緒に帰るのを
誘うことってこんなに緊張したっけ……?
僕はどんどん顔が赤く染まるのを感じながら
誘いの言葉を紡ごうと
必死に口をパクパクさせる。
それをじっと見つめていた
小澤君がふっと小さく笑って
「……蔵本君、一緒に帰ろうか?」
近くにいた近衛君に先に行っててというと、
小澤君から結局しびれを切らしたように
僕が言いたかったことを言ってくれた。
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