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球技祭 3 (修正済)
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僕がそう叫んで応援すると、
宗助くんは口角を少しあげたように見えた。
まるで待っていたかのように
いきなりスピードをあげながら
なぜか一瞬、立ち止まった小澤君からボールを奪う。
「……?」
今まで本気じゃなかったのかなと思うくらいに
宗助君は格好良くシュートを決めてしまった。
軽々とライバル達をかわしていく姿にも驚いたし、
ゴールキーパーなんていないんじゃないかと思うくらいに
簡単に決めてしまった彼の姿は別人で。
「…すごい」
少し汗が額から顎にかけて流れているのが、
太陽の光で反射してそれを胸元部分のシャツをあげながら
息を整えている宗助君はいつもと違う。
いつも優しくて子犬のように甘えん坊な彼が、
眉を寄せて男らしい顔をしている。
僕はその顔にきゅんっと胸が高鳴ってしまったのだ。
そんな僕を横に
桐野さんが何やってるのよ、小澤とつぶやいているのが聞こえる。
「今のはしょうがないよ、とっても早かったもん」
小澤君をかばうように言ったけど、桐野さんは納得いかないようだった。
たった一度のミスだったけれども、
それは後半戦にも続いていて、
「小澤君、なんか変だね」
心配になるくらい
完全に不調な状態だった。
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