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球技祭 6 (修正済)
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小澤君の不調がチームに影響して結局僕らは負けてしまった。
どうしたんだろうとサッカーの試合が終わったら
すぐに声を掛けてみようと思いながら、試合終了の笛を待っていた。
「…おざ「湊ー」
ピーっと笛が鳴ると同時に僕は立ち上がって
小澤君の方に駆け寄ろうとしたけれど、
宗助が声を掛けてきたのでそちらに視線を向ける。
「宗助君」
汗びっしょりな彼を見て、
つかさず本当は小澤君に使ってもらうはずだったタオルを渡す。
それを嬉しそうに受け取っている彼を見て、
どこかいけないことをしているような罪悪感にもかられるが、
ふと小澤君を横目で見ると、
たくさんの女の子たちが世話してくれているようで寂しくもなる。
なんだ、僕がいなくてもあんなに多くの女子達から
小澤君は応援されてちやほやされて世話をされているんだと
むなしくなった。
だったら誰も世話をしてくれない僕を
必要としてくれる宗助君の方がと悪い考えが頭をよぎる。
それを吹き飛ばそうと、
「…かっこよかったよ!
最後のシュート、僕、興奮しちゃった」
ニコッと笑いかけながらそういう。
すると、照れたように笑いながら
「へへっ、ありがとうな、湊。
湊のおかげで頑張れたんだ」
特に、小澤とのボールの取り合いのときと言ってくる。
「あっ、うん。
僕の応援が役立ったみたいで良かったよ」
チクッと何かに刺されたように心を刺激された気がするけど、
つかさず、微笑む。
「湊の可愛い声、良く響くもんな、超嬉しい。
俺の名前を呼びながらなんて」
ギュッと横から抱き付かれながら言われると、
すごく恥ずかしくて何かに満たされる感じがした。
その反面、どこか小澤君に後ろめたい気持ちもあった気がした。
「そ、そう……?」
戸惑いつつ、聞き返していたけれど、
小澤君のことが気になってしょうがない。
小澤君と目が合ったような気がしたけど、
本人は、女の子に取り囲まれながら次の競技に向かったようだ。
「そう!湊の声で俺の名前をもっと呼んで。
みんなに自慢したい」
流石に僕もここまで言われると、
かなり恥ずかしくて照れる。
「そろそろ次の競技が始まっちゃうし、
移動しない??」
少し苛立ったような声で僕を宗助君から引き離して
桐野さんが宗助君を見た。
「そうだね」
と宗助君もうなずいてくれたので、
なんとか変な空気を吹き飛ばせた。
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