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球技祭 10 (修正済)
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「ただいま…」
小さく声を掛け
少し待つが、やはりこの家には誰もいなかった。
まだメイドカフェなのかもしれない。
とりあえず部屋に行こうと思い、階段を駆け上がる。
携帯を取り出すと、連絡が来ていたことに気付く。
そうだ、ずっと学校ではマナーモードだったから、誰だろう。
「…小澤君…」
その電話をくれたのが小澤君だと知ると、
なぜか泣きたくなってしまった。
僕ね、お試しだけど、宗助君と付き合うことになったんだと
その名前の部分を見ながら小さくつぶやく。
「…くるしい、いたい…」
どんどんあふれてくる涙に戸惑いながらも、
押し寄せた切り詰めた気持ちに僕は胸を押さえた。
僕、小澤君の事、
やっぱりそういう意味で好きなのかと
改めて気付く。
「…おざわくん…」
何かが抜けたように僕は座り込んでしまう。
僕の失いたくない気持ちが、僕の首をいつも絞めてしまう。
別れ際に見た宗助君の顔がふと浮かぶ。
複雑なことをしてしまったというような表情。
僕はちゃんと笑えていただろうか。
きっと彼もこんな感情にとらわれているのではないか。
「でも…おためしだし…」
お試しでも後悔し始めてるから、
何日かしたらやっぱりだめだったと伝えるべきだろう。
そんな中、電話がかかってくる。
タイミングが悪く、小澤君からだった。
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