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小澤悠斗 2 (小澤side)(修正済)
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――次の日。
登校中、湊君を見かけた。
それはいつものことで、
俺はいつもその後をついて
なんとなくほんわかした雰囲気を
楽しむのだけれど、
今日は湊君1人じゃなかった。
湊君と燿は、幼馴染で
よく一緒に登下校しているんだけど
湊君の隣には、江端がいた。
二人の背中を見ていると、
泣きそうになってしまう。
泣くなんて男の癖にこんなことで
かっこ悪いだろと自分を嘲笑う。
それに、お試しだし。
楽しそうに会話して笑顔を見せている。
久しぶりに見た気がした。
最近は、なんか必死になって
俺に話しかけようとしてたし、
笑顔なんて見る機会もなかったな。
そういえば、誕生日も好きな物も
湊君からきいたことがない。
俺が自己調査して知ったものばかりだ。
結局縮まったと思ってたけど、
まだ湊君との距離は遠いんだな。
湊君が、お試しでも
江端と付き合うことをOKしたのは、
江端のことを少なからず、
恋人として見れるってことだよな。
てゆうか、俺の事を
恋愛感情で見ていたなら
お試しでもOKしないし、
湊君も俺の事、
好きじゃなかったのか?
そう何度も心の中で
湊君の背中を見つめながら問いかける。
すると、視線に気づいたのか振り向いた。
少し寂しそうな迷惑そうな困った顔で。
湊君にそんな顔をされたって事が、
それが俺の寂しい気持ち、
失恋したような辛い気持ちを加速させた。
思わず湊君から逃げるように駆け出した。
一度だってあんな顔されたことなかった。
いつも困ったような顔はしているけど、
口元はいつも笑っていた。
でも今日は、完全に困った顔。
追いかけてきてくれたかなって
少しは期待した。
だけど、やっぱり振り向いた
そこには誰もいなかった。
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