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ホワイトデー 9
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茉莉が渋々と、でもそのわりに足取り軽く颯人の部屋に行く姿に笑った。
颯人は手を振りながら茉莉を見送る。
次の作業に取りかかろうとオーブンへと行くと、愁と咲が顔を赤くしながら向かい合っている。
(…いつまでも、初々しいなぁ。まぁ、俺と茉莉がおかしいのだろうけど)
去年は、ただただ茉莉の気持ちが知りたくて振り向かせたくて、ものすごく頑張っていた。
そして…7年間の片想いが、両思いになった。
その反動でなのか、ほぼ毎日セックスをしてお互いを求め合う自分達。
全くセックスに無縁でも、ラブラブな親友カップルが微笑ましい。
(去年の4月は、茉莉を振り向かせようとしていたし…懐かしいなぁ)
ふふっと笑うと、2人がバッと颯人の方を振り向いた。
「颯人、見送ったの?」
愁が、恥ずかしそうに聞いてくる。
「あ、このまま茉莉と消えとけば、2人の邪魔しなくて済んだよね~」
「邪魔じゃないですっ!颯人先輩、ここにいて下さい!」
咲が慌てて言う。
「いや…それだと、愁が可哀想になるような」
「元々、僕がここにいなかったですから!」
「咲、落ち着いて。なんか、言葉がおかしくなってる」
「ごめん、咲…」
愁が謝った。
「違うの、愁が悪いんじゃない…」
「わかった、わかった。はい咲、口を開けて…」
颯人が、2人の間に入った。
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