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始まりの音 2
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びっくりして颯人の顔を見ると、初めて目をそらされた。
(…好きな人??!)
よくよく見ると、耳は真っ赤っかだった。
(今でも変わらないな、その反応…)
会話が苦手だった颯人だったが、照れると目をそむけて耳が赤くなるのは、昔から変わらないらしい。
いとおしくなり、自然に右手を上がる。
颯人の頬に触れる寸前で、颯人が話し始めた。
「俺の好きな人はすごくモテるんです。何も魅力の無い俺じゃ、振り向いてもらえないから。だから相手に気に入ってもらう為に、色々としてあげたいと思って」
右手が中途半端な位置で止まった。
「ちょっと、ちょっと待て!つまり相手が望む事をしてあげたいってことか?」
こくりと颯人は頷いた。
「色んな人としてると思うから、俺も頑張らないと…」
聞きたくないが、聞くしかない。
「颯人…お前の好きな人は、俺も知ってる奴か?」
颯人は一瞬考えたが、首を縦にふった。
(嘘だろ!!嘘って言ってくれ!!!!この会えない8年間に、何があったんだ?!)
俺は颯人の事は、今でも好きだ。
でも颯人には好きな人がいて、しかも聞いている限りろくでもなさそうな奴で。
「その人が俺を見てくれるなら、遊びでもいい」
「颯人!それは駄目だ!!自分を大切にしろ」
「どうしょうもないくらい好き、なんだ…」
真剣に俺を見ている颯人に、なぜ自分じゃないんだと言いたかった。
知らない奴に、嫉妬と敗北感を味わっていた。
「要先生が無理なら、違う人を探すから」
「探すって?!同じ事を、聞いて回るのか?」
「仕方ないよ。とにかく俺は、セックスを覚えなきゃ…先に進めない」
(俺が断ったら、他の奴とヤるって?ただでさえ知らない奴の物になるのに?)
頭が混乱していた。
颯人を止められないもどかしさと、知らない奴への嫉妬でどうにかなりそうだった。
教諭として、昔の知り合いとして何が一番いいのか。
答えは一つしかなかった。
「わかった、教えてやる」
これが一番の解決方法だった。
颯人の初めてを、知らない奴にあげるのは許せなかった。
こうなったら、颯人が俺から離れたくなくなるようにじっくり身体に教え込ませるしかない。
自分がここまで、嫉妬に狂うとは思わなかった。
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