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レッスン開始
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次の日、授業で颯人のクラスに行く事になった。
(昨日のアレで、今日すぐ会うとはね…)
これからは色々と教えた次の日とか、毎日会わなくても週二の約束で会うわけで。
(顔がにやけてないよな…?)
下顎、唇を手で擦る。
(気合い入れて、カッコイイ所でも見せるか)
必死にアピールしたくなる。
(まてまて、教師として…だな)
チャイムと共にドアを開けた。
「授業を始めるぞ!席につけ」
「茉莉ちゃん!早いって~」
1年A組の生徒達が、バタバタと慌てて席に着いていた。
「5分前行動とは言わないけど、1分前行動しろよ?」
生徒が席に着くのを確認するように、周りを見回した。
いや、颯人を探した。
見つけた颯人は相変わらず、無表情だった。
(友達とかいるのだろうか…。友達じゃなくて俺にヤり方を聞いてくる訳だし…昨日の事、忘れてないよな?)
「茉莉ちゃん!何、ボーッとしてんの?」
生徒から指摘を受けた。
「…いや。君たちは、どのぐらいの英語力なのかと」
なんとか誤魔化した。
「英語、出来ませーん」
「茉莉ちゃん、お手柔らかに頼むわ」
「君たちは俺の事、なめているな?わかった、そういう態度なら…」
「待って、なめてないって!」
「茉莉ちゃん、お願いっ!!教えて」
「全く。先輩達から、その呼び名を聞いたんだな?仕方ない、教科書を開けよー?」
生徒に『茉莉ちゃん』と言われようが、茉莉は全然気にしない性格だった。
自分が女みたいな名前でも、意外に気に入っていた。
…まぁ、颯人がこの名前が好きだと言ってくれたから、だが。
一部の生徒が「茉莉ちゃん」「茉莉ちゃん」と言い、教室全体がが笑い声に包まれる。
そんな生徒ととのやりとりにも、颯人は顔を上げずにただ座っていた。
一時間後に授業が終わると、ものすごくへこんでいる自分がいた。
(わかってた、わかってたけど…)
颯人の好きなのは違う人だとわかってはいたが、颯人の態度に不満があった。
(昨日は初キスした奴の授業だぞ?もう少し、恥じらいとか何かあるだろ~?)
颯人は、普通に授業を受けていた。
(俺が浮かれすぎなのか…)
初恋を拗らせている自分に、嫌気がさした。
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