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茉莉の誕生日 9
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初めてのセックスに疲れた颯人は、部活の時間が終わって夕飯の時間になった時に目を覚ました。
「…」
うっすらと開けた先の光景に、茉莉がいた。
腕枕をされながら、頭を撫でているのは寝る前とあまり変わらなかった。
「…颯人、目を覚ましたか?」
「…ん」
「おはよう。身体、痛いよな」
腰を撫でながら聞いたら、颯人の身体がビクッと震えた。
「んぁっ…」
甘ったるい声を出された。
「悪い!」
「平、気…。なんか…茉莉のが、今も入ってる感じがして…」
(お…俺の!)
ドキッとすると、颯人が茉莉の胸にすり寄った。
「茉莉、俺のナカ気持ち良かった?」
(っ!良すぎて、俺の方が先にイッた気がする)
「良かったよ」
「また、セックスしてくれる?」
「俺のモノで良いなら、いくらでも付き合うよ」
精一杯、大人の対応をする。
「初めてだったけど…気持ち良かった」
改めて言われると、今すぐにでも颯人を押し倒したくなる。
(我慢!)
どうにか、下半身の反応を食い止める。
「颯人、動けるか?無理なら泊まってもいいよ」
「…無理、茉莉のが入ったところが重い」
「悪い…無理させた」
「茉莉のおっきい」
「…それも、悪かった」
(下半身が反応するだろっ!)
会話を誤魔化そうと、話題を変えた。
「同室の奴に、連絡しといた方がいい。スマホは?」
「ズボンのポッケ」
茉莉は身体を動かして、颯人のズボンを探す。
「…ほら」
「ん」
颯人は寝転んだままスマホを受け取ると、操作をして電話をかける。
『はい』
電話口から愁の声が聞こえる。
もちろん、茉莉は颯人の同室が誰なのか知っていた。
「愁?ごめん、今日部屋に帰れない」
『わかった、点呼のとき返事しておく』
「ありがとう」
フワッと笑う颯人に、茉莉は驚く。
(…!まさか…柏原が好きな奴?)
颯人の好きな奴が誰か、いまだに分からない。
違うと言い聞かせても、不安が襲ってくる。
颯人が通話を切ったとき、茉莉は颯人に覆い被さる。
「…?茉、莉?」
動揺している颯人に、深いキスをした。
「んっ!…んんっ」
突然の激しいキスにもかかわらず、颯人は対応して舌を絡めくれた。
はっきり言って、嫉妬だ。
独占欲でドロドロだ。
ついさっきまで、愛し合うように身体を交わったからこそ、颯人に自分を見て欲しかった。
(何で俺以外の奴に、そんな笑顔するんだよ)
知ってか知らずか、颯人は茉莉の首に腕を回してさっきよりも深くねっとりとしたキスをしてくる。
「んぁっ…ふ…ん」
頭をいとおしそうに、撫でられる。
たったそれだけなのに、茉莉の中のドロドロとした嫉妬が薄れた。
(…我ながら、単純だな)
そう思いながらも、颯人とのキスは止められずにずっと続けたのだった。
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