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颯人の副業 3
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お互いが、椅子に座った。
「大物って、何を作らせようとしているんだ?」
颯人の実績を作るにはいいが、あまりピンとこない。
「ウェディングドレス」
「へ?」
自分でも、間抜けな声を出したと思った。
「『へ?』じゃない」
百合に呆れられる。
「いやいや、待て」
頭を抱えた。
「誰…の?」
「私の」
確かに、絢斗とは結婚前提でお付き合いをしていると聞いていた。
「颯人、作れるのか?」
「作ったことがないけど、たぶん出来る」
「…来年、お前に姫の衣装を任せるって言われたら?」
愁が生徒会長推薦は、ほぼ決まっていたので仲の良い颯人に生徒会に入って欲しいと頼むかもしれない。
そうしたら、愁が決めた姫の衣装を作るのは颯人だ。
「今年中に作れれば、問題ないだろ?」
「…出来るのか?」
服を作る事がわからないが、繊細すぎて時間がかかるイメージがあって出来る気がしない。
「颯人、無理しなくてもいいわよ?」
百合も不安になったのか。
しかし、颯人は首をふった。
「平気。それに相手のタキシードも一緒に作れるから」
「本当に!!」
百合は喜んだ。
「…でも、採寸しないとならないけど」
「絢さん 、社長秘書だから忙しいのよね」
困ったわ、と百合が言った。
「…茉莉よりも大きい?」
唐突に言われる。
「んー、身長はだいたい同じくらいよね」
「…まぁ」
何回か会ったことがあるのを思い出して、答えた。
「じゃあ、茉莉の身体で採寸するかな」
颯人が百合のサイズも今日測ろうとしていたらしく、メジャーとノートを取り出した。
「体型の太さは、抱きついたらわかるわよ」
「はぁ?」
「だって恋人だから、身体のサイズぐらい抱き合ってたらわかるけど?」
きょとんとした顔の百合に言われた。
「あ~、何か聞きたくない」
妹の情事は、想像したくない。
「何よ、態度悪いわね」
(いや…俺と颯人がヤってるって言ったら、きっとお前もこんな気持ちになるぞ…)
むしろ、軽蔑の眼差しで茉莉に罵声を浴びせるかもしれない。
はぁ…と溜め息をついた。
おもむろに百合が颯人に言う。
「ねぇ、颯人の作品見たいんだけど」
「あ、うん」
颯人が慌てて、スマホを取り出した。
スライドをして、画面を百合に見せた。
「これ、なんだけど」
「うっそ!すごい!!!」
百合の頬が、興奮で紅く染まった。
スマホの画面には、颯人が作った服が一枚一枚きちんと写っていて、百合は拡大しながら見ていった。
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