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颯人の副業 5
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颯人は茉莉の身体のサイズを測り終わってから、百合のサイズも測る。
測っている時に、茉莉は颯人のスマホを見た。
(8年も会ってないと、颯人の知らない事があるな)
あの時は、編み物をしていた。
(変わらない事もあるのに、ときどき遠く感じる)
茉莉は、そっと颯人を見た。
(…俺も颯人から見たら、変わったのかな)
近所のお兄さんだった自分は、成人して大人になり教師になった。
でも8年前の臆病な自分は変わらずに、ここにいる。
(…メンタルは変わってない、なんてな)
苦笑していると、颯人が顔を覗かせた。
「…茉莉?」
ハッとして顔を上げる。
「ど、どうした?」
「…何か、変な顔をしてたから。疲れた?」
余程、酷い顔をしていたのだろう。
颯人は自分の採寸が細かい為に、茉莉が疲れてしまったのだと思ったらしい。
「いや、大丈夫だよ」
そう言って何も考えずに、自然に颯人の頭に手を置いて撫でた。
「…なんか、熟年夫婦の会話みたいね」
百合の言葉にむせた。
「ゴホッ!何、言ってるんだ」
「ねぇ、颯人。絢さんの都合の良い日、聞いとくね」
(シカトするなよ!)
サバサバしている性格の妹は、話を変えるのも早い。
はぁ…と、茉莉は溜め息をついたのだった。
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