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デート 5
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軽く触れただけのキスだったのに、身体は熱くなってくる。
もう一度、唇をつけるだけの軽いキスをした。
離れるときに、颯人の唇が離れる茉莉の唇を追ってきて、颯人からキスをしてくる。
茉莉は片手で、颯人が被っている帽子を押さえた。
これで、颯人の両手が空く。
颯人は帽子を押さえていた手を離し、茉莉の背中に腕を回す。
「…んっ」
何度も何度も、角度も向きも変えてキスをする。
唇を離したらどちらかが口を相手に寄せていき、またキスをした。
颯人の手が、茉莉の背中を優しく撫でる。
『もっと』と言われている気がして、茉莉は颯人の背中を撫でながらキスを続ける。
「ん、…ふぁ」
くすぐったいみたいだったが、何も言わずに茉莉に触られていた。
茉莉の手は、颯人の腰に移動して撫でた。
軽いキスから次第に深く長いキスになり、舌を絡ませていく。
リップ音と水音が重なりあい、その音に背中を押される様に、口づけも激しくなっていった。
止めることもなく、お互い夢中でキスをしていると、砂場を歩いていたカップルが、こっちを見て立ち止まった。
「…ねっ!すっごい、ベロチュー!!」
「すっごいな!」
「でも、すごく綺麗に見える。何て言うの…映画みたいな」
「そう、それだ!って…撮影じゃないよな」
聞こえる会話に、恥ずかしさはあったが止まらない。
(…これ、駄目だよな。止めなきゃ、颯人に迷惑がかかる)
駄目だ、駄目だと頭でわかっていても止まらない、止める事が出来ない。
颯人もカップルの会話を聞こえているはずだが、いっこうにキスの動きは止めない。
むしろ、さっきよりも激しく舌を絡ませてくる。
(帽子で、わからないけど…)
このカップルは、男同士でキスをしているとは思っていないだろう。
「…なぁ、俺さキスしたくなってきた」
「実はね、私も…。あっちで、してもいいよ」
どうやら、カップルをその気にさせてしまったらしい。
カップルが去っていく。
茉莉は目を開けて、颯人を見た。
初めの時のぎこちなさは無くなり、自ら舌を絡ませてくるようになった。
(…エロくなったな)
茉莉は発情してきた。
(駄目だ、今すぐ颯人を抱きたい!)
茉莉は颯人の唇から離れがたかったが、離した。
「…茉、莉?」
トローンとした顔の颯人が、茉莉を見上げている。
茉莉は、ギュッと颯人を抱きしめた。
「…」
颯人の耳元で囁いた。
「…颯人、抱いてもいい?」
今日、卒業試験で抱く事にはなっていたが、颯人の許可してくれるのを聞きたかった。
「いいよ、俺も茉莉が欲しい」
颯人は、茉莉の胸の中で迷わずに言ってくれた。
嘘でも、社交辞令でもいい。
『抱いて欲しい』と言われて、嬉しくて泣きそうになった。
「…ホテルに、行こうか」
そう言って、颯人を立たせて車を停めた駐車場に向かい、車に乗り込んだのだった。
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