アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
繋がる 1
-
車を運転していると、颯人が右手を伸ばしてきた。
茉莉の左太股に触れる。
「っ!颯人」
「…駄目?茉莉に触れてたい」
(いつの間に、そんな誘いテクを身につけてきたんだよ!)
茉莉は、颯人を襲いそうな衝動に駆られる。
(…落ち着け、俺!ここまで来て、カーセックスする訳にはいかないだろ!!)
ホテルまでは、我慢したい。
とにかく、今は運転第一。
茉莉は精神統一するために、深呼吸をした。
そして、颯人の右手の上に自分の左手を置いて、指と指の間に自分の指を絡めた。
「駄目じゃない、俺も触ってたい」
「ん…」
嬉しそうに、颯人が微笑む。
それを見て、茉莉の胸の鼓動はうるさいくらい大きくなった。
ホテルに着いた。
誰が聞いてもわかる有名なホテルに、颯人が驚く。
「茉莉、本当に…ここ?」
「あぁ、そうだよ」
「…高そう」
「安いプランだから、気にするな」
茉莉は、車をホテルの正面に着けた。
「宿泊でございますか?」
「あぁ、よろしく頼む」
ドアマンは、颯人が乗っている助手席を開ける。
茉莉も車を降りた。
「畏まりました。フロントは右手側に御座います」
「ありがとう」
そう言って車を預け、颯人の腰に手を回した。
「…茉莉、手慣れてる」
颯人が小さい声で言う。
「このホテルは初めてだよ。海外だと、これが当たり前だから」
「そっか…」
茉莉は日本にいるよりも、海外が多い事に気がつく。
(…ん?!手慣れてるって…なんか俺、誰かホテル連れこんでるイメージがあるのか?)
「家族と友達以外、ホテルに行ってないからな」
なんか、言い訳っぽい。
「…何、焦ってるの」
普通な態度の颯人に、少し寂しさを感じた。
(興味ない事…だよな)
フロントに着く前に、今は気にするなと考え直す。
チェックインを済ませて、部屋の案内をすると申し出があったが、丁重にお断りをしたら渋々部屋のカードキーを渡される。
(…仕事を取り上げて申し訳ないが、一緒に来られるとこっちが困る)
なんと言っても自分が発情してるから、部屋に入った後にすぐにでもキスをしたい。
案内の人がいる前で、おもむろにするわけにもいかないから断るのに必死だった。
エレベーターで、部屋がある階のボタンを押した。
すぐに一階についたので、それに乗る。
「…やっぱり高いでしょ、ここ」
颯人がボタンの31階を見て、言う。
「…そんな事を気にするよりも、これからの事を気にした方がいいぞ」
「これから?」
「…たぶん、身体は大丈夫じゃなくなる」
「…っ!」
颯人の顔が一瞬で赤くなる。
(可愛いんだよな~)
そう思っていたら、あっという間に31階まで着いた。
カードキーで部屋のドアを開けて、颯人を中へと促した。
颯人が部屋に入り、茉莉も後から入る。
入ってすぐに大きな窓が広がり、ソファーがあった。
ベッドルームは、左側だろうか。
颯人が窓に近づき、景色を見ていた。
「やっぱり高いね。あれ、さっきの海岸?」
茉莉が近づき、颯人の指先で指した方向を見る。
「…そうだな、なんとなく人が見える」
そう言って、颯人を後ろから抱きしめた。
「…」
颯人が首を捻る。
茉莉は颯人の唇を塞いだ。
ちゅっ、ちゅっとリップ音がなる。
颯人の胸に手を這わせる。
茉莉が颯人の口に舌を入れようとしたら、颯人が身体を窓に向けてしまった。
「ま…茉莉、待って。風で砂かぶったからお風呂に入りたい」
「あぁ…」
茉莉は気にしていなかったが、颯人が気にするなら仕方ない。
「茉莉から先に入って」
(…さすがに、一緒はまだ無理か)
「わかった」
茉莉は1人、バスルームへと行ったのだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
43 / 164