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茉莉は砂をお湯で流し、身体を洗ってからお風呂から出て颯人に言った。
「…颯人、あがった」
スマホを見ている様だった颯人が、顔を上げた。
「…うん、スマホの電源切ったから…お風呂に入ってくる」
(あ!そうだな…邪魔されたら、たまったものじゃない)
茉莉は自分のスマホを取りだし、電源をオフにした。
(…あとは)
鞄から、ゴムとローションを何個か取り出してベッドルームに持っていく。
(…どこに置くべきか。ベッドのスタンド?枕の下?)
少し悩んだが、ローションはスタンドに3本と枕の下に1本を置いた。
取り出しやすいように、ゴムは箱から出して個別包装を何個か取り出した。
(…何個、必要なんだろう)
スタンドにゴムの箱を何箱も積むと、見た目が汚くなるので積み重ねるわけにもいかず、一応1箱をスタンドの上に、個別包装を枕の下とスタンドの上に数えずに置いた。
(…何か、いかがわしくなってきた)
ガツガツしている援交のオヤジのような自分が恥ずかしくなり、茉莉は頭を抱えた。
ここで待っていられなくなり、慌ててベッドルームから出よう立ち上がると颯人が来た。
「ここにいたの?返事がないから、びっくりした」
「あ、あぁ…」
そう言って返事をしたが、ハッとなる。
自分と同じバスローブに着替えた颯人は、やけに色気を感じた。
お風呂で血行が良くなったせいか、頬が赤らんでいて、色っぽい。
同じく使ったボディソープなのに、何か自分と違う。
甘ったるい香りが、颯人からしている気がした。
「茉莉?」
ボーッとしている茉莉に、颯人が声をかけた。
その声に、茉莉はハッと意識を戻した。
「…あっ悪い!何か、ボディソープ以外の匂いがして…」
「えっ?そう?おれ、ここにあったのしか使ってないけど…」
くんくんっと、颯人は少し大きめのバスローブの袖の匂いを嗅いでいた。
(…少し大きめとか、反則だろ!可愛すぎるって!!)
茉莉は平常心を保とうと、おでこを押さえた。
(落ち着け!獣になるな、俺!)
かぶりつきたいのを、我慢せねば!と自分に言い聞かせる。
「…茉莉、キスして」
そんな葛藤を知らない颯人は、茉莉を煽った。
顔から手を避けると、颯人が茉莉の胸に手を置いた。
(ヤバイ…)
茉莉は、平常心が崩れる音を聞いた。
瞬間に、颯人の唇に吸いついていた。
「んっ、んっ…あ」
始めから激しく舌を入れて、上顎を擦る。
颯人は、そんな茉莉の首に腕を回した。
唾液が混じり、舌が更に動かしやすくなる。
「ふぁ、あっ、ん…」
「んっ、ん…」
どっちが自分の舌かわからないほど、お互いが絡ませ合う。
やっとの思いで離すと、唾液の糸がお互いを繋いでいた。
お互い、息が上がっている。
だがお構いなしに、また唇を合わせた。
颯人の背中を支えながら、ベッドにそのまま倒していった。
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